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ルール設定
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「今からルールを作る」
「突然どうした?」
バッとソファーから立ち上がり、僕は奴を見下ろした。
敦への怨念は後できっちりぶつけるとして、今すべきことはこいつとの今後の生活について、対策を練ることだ。
今すぐにでも部屋を変えたいがそうもいかない。一人の生徒につきとてつもない理由が無い限り1回移動すると1ヶ月間は移動不可になる。
もし、どうしてもと言うには色々手続きが面倒くさい。
それらを踏まえるとなんとか1ヶ月間乗り切る方が妥当だと考えた。
だがしかし!こいつと1ヶ月も同じ部屋とか自分の身に危機感しかない!
そして、そんな僕の身を守るために今考えたのがルール設定だった。
「僕とお前の間のルールだよ!」
「めんどくさ…」
ふん。勝手に作ってやる。無法地帯に住んでられるか!
僕は紙とペンを持ってきて、でかでかと書き出した。
①僕の部屋への入室を禁ずる
②家事は交代制
③僕とお前が同室であることは隠す
「はいコレ」
その紙を奴の目の前に差し出し突きつけた。
紙を受けとり、眺めていた奴だったが僕の手からペンを盗みキャップを外した。
「………分かった。じゃあ俺からのルールも追加するからな」
「は?ふざけんなよ。そもそも勝手に部屋変えたお前が悪いだろ!」
「俺はお前のルールを守る。お前は俺のルールを守る。OK?」
「僕の話を聞けってば!」
「…お前は俺に逆らえない理由がある」
紙に勝手に文字を書きながら、横目で僕を見上げた。
「な、なんだよ」
「『勇くん』に告げ口していいなら、別にルールとか守んなくていいぞ」
「っだめ!!」
条件反射のように叫んでいた。
勇くんに告げ口なんて絶対絶対絶対ダメに決まってんだろ!卑怯だそんなの。
ずっと言えないでいる僕の気持ちを踏みにじる気か。最低。クズ野郎!
「分かった!守るから、絶対言うな!」
僕の必死の返答に奴はニヤリとイヤらしい笑みを浮かべ続きを書き上げた。
①俺からの連絡には必ず返事をしろ
②俺がバイトの日は家事は泪が担当する
③外泊禁止
④ルールを破ったら1つ俺の命令に従う
「はいこーれ」
「待てよ!④がおかしいだろ!」
「ルールってのは破ったら罰があるから守るもんだろ?破ったら即告げ口じゃないだけありがたいと思え、馬鹿」
た、確かにそうかもしれないけど…ムカつく!
「じゃあ僕も同じ④追加する!」
「ああ、いいよ。俺は破らないから」
クソモデルはまたあの憎たらしい笑みを浮かべた。
この時④にばかり気がいっていた僕は、③を見落とし、大変な目にあうのはまだ先の話。
それから、連絡先を交換させられたのも言うまでもない。
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