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後味
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無言の車内には最近話題のアイドルの曲が流れている。しかも恋愛ソング。
『キスしたその感触が──』
「なんでじゃあっ!!」
叫んでから、慌てて窓の外に顔を向けた。
隣のアイツはくすくす笑うし、美紗希さんにはビックリと心配が混ざった顔をされた。
穴があったら入りたい…。
もう…やだ……。
熱を帯びる顔をパタパタと扇いで冷まそうとしてみる。
「泪くん…大丈夫?」
「は、はい!大丈夫です!すみません…」
「そう?よかったわ」
さっきの…その、き、キスは美紗希さんには知られてない…。ただ膝の上に座っていたところは見られた…んだよ。
色んな意味で気まずい!
「泪、気にし過ぎ」
「だっだって!」
「美紗希さんもそんな気にしてないよ。ですよね?」
「ええもちろんよ!」
バックミラー越しに美紗希さんは可憐に微笑む。
「そのことだけじゃ……」
「じゃあ、どれを気にしてるのかな?」
「ぅ……言わないし!馬鹿!」
アイツはいかにも楽しそうにからかってくる。
ムカつく!!
その後、美紗希さんの車で寮まで届けてもらい、僕のとんでもない1日が終わった。
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