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遥海が出て行った後、僕はおぼつかない足取りでベットに近づいた。布団を捲ると、バスタオルが敷かれてあり、それはこれかろ起こるであろうことを示唆していた。
心臓が飛び出しそうなぐらい激しく脈打っている。僕はこれからここでするんだと考えただけで、頭がパンクしそうになる。
「ど...しよ...」
遥海がいない今なら、逃げ出せる。流されて、流されて、ここまで来てしまったけどまだ戻れる。
逃げ...る?
目を向けた扉。あれを開けて出ていくだけ。
簡単だ。すごく簡単。
でも、もし僕が逃げたら...きっと二度と遥海とまともに顔を合わせられない。話せない。
考えただけで、胸がつきつき痛んでそれは嫌だと思い知る。
最初は大嫌いだったのに、気持ち悪い奴だと思っていたのに、今は...いなくなったら嫌で、苦しくなる。
そっと自分の唇に触れてみた。アイツに触れられた唇はまだ感触が残っている。柔らかくて熱くて、それでいて甘いんだ。甘くて甘くて気持ちよくて蕩けちゃうんじゃないかって思うぐらいの、初めてのキスだった。
キスされて…嫌じゃなかったんだもん。
頬に触れた大きな手が無償に恋しかった。名前を呼ぶ声が鼓膜を震わせる感じが心地よかった。
激しいキスも苦しかったけど、やめて欲しくなかった。
ぼぅっとさっきのことを思い出して、首が熱くなる。そのまま、遥海のベットに座って体育座りで小さく丸まった。
「やば…いよ…」
キスしてる最中、遥海がどんな顔をしているのか確かめたくて目を開けたんだ。
その時のギラギラとした目。興奮して、僕を全部自分のモノにしたいっていう欲求が隠れもしていなかった。
あの目と見つめあった瞬間、ビリビリって背骨を何かが駆け上がっていく感覚がしたんだ。そして心臓が呼応するようにドキドキ苦しくなって、僕はもっと…
もっと触れたいと思ったんだ。
遥海に触れたい。触れてほしい。そう思った。
だから自分からキスに応えた。
その後混乱して泣いちゃったけど、立ち去ろうとした遥海の手を掴んで引き止めた。
答えになってない答えをベラベラ喋って。困っていたのは遥海の方だったろうにね。自分じゃ抱えきれなくて、遥海にパスしちゃったんだ。
それでちゃんと意図が通じたのかって言われると僕も分からない。僕が言ったことなのに僕自身意図が分からないんだから、酷い話だ。
でも遥海は「大丈夫だ」って言った。
何が大丈夫?っていう疑問はあるけど、安心した。遥海なら大丈夫な気がしたから。
根拠は……遥海だから…。
あと1回だけ流されたら、多分...。
「うへーーー」
それにしても落ち着かない。枕に顔を埋めてパタパタと足をばたつかせる。
緊張してる...だって初めてだし!!ばか!!
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