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暖かい朝
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少しの息苦しさと僕を包み込む優しい香りと温もりに、ふわふわ意識の底を漂っていた僕は次第に覚醒していく。
腕を動かそうとしても、なにかに邪魔されて動かせないし、寝返りも打てない。
「……ん」
もぞもぞ奮闘していると、耳元で低く掠れた声がした。聞き覚えのあるような声に、まだ眠たい瞼を持ち上げた。
「………ぇ?」
僕はしばらくぼーっとその光景を眺め、パチパチと瞬きを繰り返し、右手で目を擦ってみた。
けれど、それは確かに存在している。規則正しい安らかな寝息を立てて、僕を抱き枕のように抱きしめながら眠っている遥海が、今ここに。
何故、どうして、そんな疑問を抱きながら、起こさないように起き上がろうとした僕に襲いかかる鈍痛。思わぬ痛みに顔を顰め遥海の腕枕の上にパタリと倒れる。
痛い……。
腰とお尻に股関節からも痛みが感じられる。
痛む箇所を確認しようと手を伸ばし、その感触に僕ははたと気がつく。
僕の下が生で、つまりパンツを履いていないことに。さらに言えばズボンもないし、ワンピースのような丈の長いものを着ていた。
……え?え?え、え、え………………
この状況に完全に覚醒した僕の頭は昨夜の全てを思い出した。
「〜〜〜っ!!??」
その途端息が止まって身動き一つできなくなる。
ボボボっ!と顔に火がついたように熱くなり頭の中が沸騰して、目まぐるしい速さで昨夜の情景が流れてくる。
ややややや!!!!違う違う違う違う違ーーーう!!
やだやだ出ていけ!!頭から出ていけ!!!
こんな恥しい記憶いらないよっ…!!
いらない、いらないと思えば思うほど鮮明に映る映像に、僕の目に涙が溜まる。
遥海と裸で抱き合って、あらゆる所を触られて、繋がって、気持ちよくて、淫に善がって淫乱な言葉を口走って、イかされて…それで…それで……
『好き』
な…ななな………
僕はなんてことをしでかしてしまったんだ!
なんでなんで…!?昨日の自分を呪いたい!!
流されて絆されて、エ、エッチ…うわぁぁぁ!!
目に溜まった涙は僕の混乱に合わせるようにボロボロ流れ出ていた。
「ふ……ゥゥ……グス」
両手で顔を覆って肩を竦め涙する僕を突然その腕は意志を持って僕のことを強く引き寄せた。
「泣くなよ」
驚きと戸惑いで息を飲んだ僕のつむじに柔らかい唇が当てられ、遥海が少しハスキーに呟く。
手の隙間から上目遣いに遥海を見つめると、穏やかに微笑みながら慈しむような目で見つめ返され、あまりにも綺麗で僕はさらに涙を流した。
「頼むから泣き止んで?」
「ヒック…ぅ…」
「よしよし。…可愛い」
小さい子供を慰めるように、背中をさすられてまたつむじにキスをされ、僕は遥海の胸に顔を押し当ててシャツに縋った。
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