アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
おやすみ─遥海side
-
「温泉卵乗せて」
「オレンジジュースが飲みたいから買ってきて」
「のど飴取って」
「テレビーー」
「はいどうぞ」
泪の独裁を甘んじて受けご機嫌を取ることに専念する。
我儘放題の病人を甘やかして甘やかすけれど、触れさせてはくれない。
先ほどの報復に風邪が治るまでおさわり禁止令が発令されてしまい、なんとか解除してもらおうと奮闘しているがこりゃあどう頑張っても無理そうだ。
そのまま就寝時間となってしまい、どうしたものかと頭を悩ませる。
泪と同じベットで寝る気満々だったが、狭いベットは密着しないと眠ることが出来ず、触れられないのであれば不可能だ。
最終手段は床で寝るしかないよな…。
チラチラ泪の様子を伺っていると
「何?寝るんだけど」
「いや…おやすみ」
冷ややかな対応をされて、泪は自分の部屋…ではなく俺の部屋に入っていった。
……まじか。
てっきり自分の部屋に入って俺を追い出すかと思っていたのに。
まさかまさかの展開に泪に続いて俺も部屋に入った。
既に布団を被り寝る体勢になっていた泪だが、もちろん俺の入るスペースなんて用意されていなかった。
…床かぁ。
明かりを落とし、覚悟を決めて床に座ったところで泪がジト目で睨んでいることに気がついた。
「どうした?」
「…それはこっちのセリフなんだけど。床に座ってどうしたの?」
「寝る」
「床で?」
コクリと頷くと、泪は寝返りを打ち反対側を向いてしまう。けれどそのお陰でベットにスペースが空いた。
もしかして……?
「別に…そこまで鬼畜じゃないし」
ボソボソ早口で泪はそう言って瞳を閉じた。
ツンデレだよなぁ。
「それじゃあ、遠慮なく」
泪の許可も出たことだし、ベットに潜り込み泪を背中から抱き寄せた。
「なっ!抱きつくな!」
「こうしないと落ちるから、仕方なくだよ」
「もう…バカ」
泪はムッとしながらも、俺を蹴落とそうとはしないで抱き枕になってくれる。
もう泪がいないと安眠できないかも…なーんてな。
泪の体温を感じながら、長い1日が幕を閉じた。
──遥海side end
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
67 / 123