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※傷
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握り締めた手が汗ばんで、遥海の背中をただただ見つめて歩いていたらいつの間にか僕達の部屋の前についていた。
歩くペースが早くて息が切れ、手だけじゃなくて額にも汗が浮かぶ。
扉が開かれ、電気の付いていない暗い部屋に押し込まれ靴を脱ごうとした僕に襲いかかる衝撃。
「んッ…ァ……」
扉がまだ完全に閉まっていないのに、遥海は待ちきれないと言わんばかりに唇を塞ぎ僕を腕の中に閉じ込める。
背中から抱き締められ、顔を後ろに向かされてのキスはいつも以上に苦しくて、興奮する。
お互いが既に汗と熱気に包まれていることも多分要因の一つ。
「アッ…あぅ…んん!」
遥海はクチュクチュとわざと大きな音を立てて僕の口内をまさぐり羞恥心を煽る。
唾液が絡まり唇の隙間から垂れたのを遥海の唇が舐めとり、一息付くのかと思いきやすぐにまた塞がれる。
苦しくて気持ちいいキスに次第に頭がぼうっとなり、身体の力が抜けていく。
気が付かないうちに夢中になっていた僕のお腹に遥海の手がかかる。
「はる…かぁッ…んんぁ…」
プツプツ下からシャツのボタンを外され身をよじる程度の抵抗では歯が立たなかった。
最後の一つが外されるとシャツを左右に開かれ、遥海の手が僕の身体をまさぐる様に触る。
「ひゃッ!」
直に触れた手にビクッと跳ねた身体。明らかに驚いたのとは違う艶のある声。
触れられただけで身体が悦び、ヒクッと下半身が疼いたのを感じて羞恥におそわれた。
「まっ…やぁ…待ってぇ…!」
やっと離れた唇。息を乱しながら遥海の手を止めようとしたけれど、僕の静止の声などお構い無しに胸の突起の回りをクルクルと這う。
「逃げんなって」
「ぁんんッ!イ…あッ…そんなに…するな!」
両の乳首をキュッと摘まれコリコリと弄ばれれば、じわじわムズ痒いような快感が胸から身体に広がってゆく。
気持ちいいけれど、どこか物足りないと思ってしまう刺激。
「遥海っ…やだ…やぁ!」
「嘘つくなよ…気持ちいいくせに」
「やだやだッ…アッ!だめ!ソコ…触っちゃ…」
僕が無意識のうちに擦り合わせていた膝を遥海の足が割開き、僕の昂りを示すモノを右手でツーっとなぞられた。
小さな悪戯をするようになぞったり撫でたりを繰り返すだけで、それ以上進もうとしないもどかしい動き。
もっとちゃんとした刺激をくれるか、触るのをやめるかして欲しい。
もどかしくておかしくなりそうだ。
もちろんまだ理性がちゃんと働いている僕が遥海に触ることを求める確率は0だ。
よって、魔の手から逃げようと身を捻りその手を掴むけど余計自身に押し当ててしまった。
そのほんの僅かな刺激で僕の足はかくりと折れて床に落ちてしまう。
座ったお陰で遥海の手から逃れることが出来た。両手を床につき昂りを落ち着かせようとしたのも束の間。
「うっ!待てッ…あっ…も…立てないっから…」
「るーい。暴れんな」
僕のことを追いかけるように覆いかぶさり再び遥海の腕の中に捕えられ、さっきよりもさらに密着して僕の目の前が壁なだけに逃げ場もない。
遥海は僕の肩からズレていたシャツを掴むと少し強引に引っ張り腕から抜いてしまう。
そして取り払われたシャツはぽいと後ろに投げ捨てられた。
「おねが…靴っ…ふぅ…靴ぬぐ!」
上半身裸なのに違和感のある足元。そうなんだ。僕も遥海も靴をはきっぱなしだったんだ。
靴なんか今の状況を打開するには全然意味無いけど、少しぐらい余裕が欲しかった。
首筋に当てられた唇の感触がゾクゾクと僕の心臓を高鳴らせる。それでも靴のことをアピールすれば僕のお願いは通過した…意図した形じゃなかったけど。
遥海が自分の靴を適当に脱いで、次に僕は自分で脱ぐことすら許されず、遥海に脱がせてもらい玄関から少しだけ引き上げられフローリングの上に追いやられた。
しかし逃げようとした僕の腰に遥海の腕が絡まる。
「ここ、玄関ッ!ちょ…痛っ!!」
尚も逃げようとしていた僕の肩に遥海は容赦なく歯を立ててきた。
甘噛みではない、噛みつかれている。
どんどん力が込められて僕の肌に歯がくい込んでいく。
「痛い…やめてってば!…ぅぅ」
焼けるように熱い。多分血が滲んでいるだろう。
「ん、いい出来だ」
「くっ…馬鹿!痛かった!」
やっと離れた痛みの後にキッと睨みつけたが遥海は満足気に笑っていた。
そして遥海は僕のことを無視してその歯型を舌でゆっくりとなぞりあげる。
「痛いって...なんで噛んだんだ!」
「んー、印」
「や...ぁ......印?」
「俺の印。キスマより痕になるだろ?」
歯型から首筋に這い上がってきた唇がぴたりと止まり、きつく肌を吸われピリッとした痛みが走った。
歯型の隣にキスマークまで付けられた。
「へ...へんたい......」
「独占欲の表れだって知ってんだろ?俺だけがお前に残せる印」
「アッ...んん......」
ピリッ、ピリッと背中に降り注ぐキスの嵐。きっと背中は虫に刺されたみたいに大変なことになっているだろう。
それでもいいと、遥海の口から独占欲なんて言葉を聞けて嬉しいと思えば思うほど、この痛みでさえも気持ちいいのだと錯覚する。
それと同時に自分の中の独占欲が顔を覗かせた。
「遥海、僕も...」
「ん?ちゃんと言え」
「僕も...傷、付けたい」
「いいぜ。ほら、おいで」
一度遥海は僕から離れ、僕は自由に身動きが取れるようになった。
そして妖艶な笑みを浮かべながら僕を待っている遥海の膝の上に跨り、ワイシャツのボタンを全部外して同じように脱がせた。
綺麗な肉体に思わずため息を零せばクスリと笑われ、頭を優しく鎖骨の下あたりに誘われた。
恐る恐る口を開けかぷっと肌を甘く噛む。もちろんこれぐらいじゃ傷跡は残らない。
「もっと思い切り噛め」
「...痛いよ?」
「泪だから許す」
頭を後ろから押し付けられ促される。
僕だから...許してくれる。僕だけが許された行為。
服を着たら見えないここを見ていいのは僕だけ。
じわじわ歯に力を入れて遥海の綺麗な肌に傷を残す。
簡単に消えないように、はっきり残るように。
口の中に血の味が広がり、ゆっくり歯を離せばちゃんと出来たお揃いの痕。
血が滲み痛々しいそれが愛おしくて、無意識の内に舌を這わせていた。
「たまんねぇな」
「...たまんない」
少し顔を上げると遥海の欲情した切れ長の瞳に捕らわれて、僕はもう一度降り注ぐキスを受け入れた。
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