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めでたいー咲side
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「泪!!泪泪泪泪泪泪!!!」
誰よりも早く泪の元にたどり着いた俺は、それはそれは大興奮だった。
鼻息荒く名前を連呼するけど、泪は机に突っ伏して無視を決め込んでいるみたいだった。
「ねぇねぇねぇ!!!泪ったら!!起きて!!!おーきーてーーー!」
「だーー!!うるっさい!」
ゆさゆさ肩を揺すっていたら我慢できず泪ががばっと起き上がった。
強く睨みつけられたけど、その目は潤んで顔は真っ赤っかのままで全然怖くなかった。
にこにこ笑顔は絶えることなく、俺は拍手する。
「泪!!おめでとーーーー!!わぁーー!」
「~~~!!やめてよ!恥ずい!バカ!」
俺のノリに周りにいた生徒も一斉に拍手喝采。
ピーピー指笛を鳴らすものに、おめでとうと叫ぶ者。
朝から謎のテンションで教室内は包まれていた。
と、言うかここがこういう学校だってことはみんな既知だったから素直に受け入れられるんだろう。
偏見がある人だったらこの学校で生きていけないだろうからね。結構あちこちでいちゃついているカップルを見かけるし、ちょっと異常なことが普通になっている。
「うふふ~!らぶっらぶだったね!!ねー今度俺のことも紹介してよ!!泪の友達として!!」
ぴょんぴょん飛び跳ねる俺に、さらに赤くなった顔を隠しながら泪はボソッと小さく呟く。
「...やだ」
「えーー、悲しみーー」
これはヤキモチ?独占欲!?
泪ってば可愛いなぁ~。
そう思っていた俺にとって次の泪の一言は予想の斜め上を通過した。
「...親友としてなら、いい」
「......っ!!!」
ぶっきらぼうに照れながら言うなんて、ずるい!!ずる過ぎる!!!
余りに衝撃的で、嬉しくて声が出てくれなかった。
声が出ない代わりに激しく頭を振って喜びを表してみるけど、泪に小バカにされたように笑われてしまった。
でもでもでも、ホントに嬉しいんだもん!
「いひひ!ありがと!!」
「あっこら!!髪ぐちゃぐちゃになる!」
「んふーごめん」
「笑い方が...バカ」
泪の頭を両手でわしゃわしゃするとプンプン怒って手を弾かれ、辛辣に毒を吐かれた。
でもそれも、照れ隠しっていうか、親友だからだもんね!
俺だって調子乗っちゃうよーだ!
その後先生が来てからもしばらくお祭り状態は続き、泪の機嫌は最高潮に悪かった。
ーー咲side end
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