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魔法の代償
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いつも通りつまらない講義を終えると、淡々とした口調で教授が残酷なことを言い出す。
「そういえばこの前の講義で取り上げたテーマについてレポートを書いてきたかな?明日までだからねー出さないと単位あげないよー」
会場がどよめく。
そういえば締め切り明日だったな…やべえ、この前の講義とか寝てて全然聞いてなかった。
この講義は一年生の時に単位を落として俺だけ再履修してるわけで教授には早々目を付けられてるし、頼みの綱の遥輝は講義にいるわけもないし。
最近はネットのコピペしたらバレるって脅されてるからなあ…聞いてもない講義のレポート書くとかかなり無理ゲーだ。
家に帰って頭を抱えていたら、ぬっと雨が俺の顔を覗き込む。
本当黙っていたら男の俺でもうっとりしてしまうくらい綺麗な顔なんだよな。
「なになに〜、困りごとかな?」
「いやぁ、レポートの締め切りが明日でやばいんだよ。しかも講義寝てて全然内容わからんの」
「へぇ〜そんなん僕に頼ればあっという間なのに〜」
雨はニヤついた顔でこちらを見る。
そうだ、こいつ確か魔法がどうとか言ってたな。
こんな面倒臭いこと、魔法で解決してくれたら一番手っ取り早いじゃないか!
これで俺の単位も進級も決まったようなもんだな。
最初はこんな猫耳野郎どうしようかと思ったけど、思ってた以上に使えるやつじゃないか。
………まあ本当に魔法が使えたらの話なんだけど。
「お前の魔法とやらでどうにかなんねーの?A4で10枚分のレポート」
「お安い御用さ♪ちょーっと待っててね」
雨は人差し指を立てて何を空に書き出す。
魔法を完全に信じていたわけじゃない。冗談半分でそんなことがあったらいいなと思っていただけで。
だから自分の質素な部屋の中で青い光の文字が浮き出してきたのは、とても信じられない光景であった。
「えっ嘘だろ………?!」
「本物の魔法だよ、ほら」
青い光の中微笑んでいる雨がとても美しく神秘的な存在に思えた。
手元を見ると紙が握られている。
………これが例のレポート?
「黒宮雅人の名前で文献を参考にしながらレポート書いてあげたからね。教授もびっくりな出来栄えだと思うよ♪」
「………」
俺は黙ってレポートを読み始める。
凄い、こいつ講義受けたわけでもこの専門分野を勉強しているわけでもないのに…。
内容もしっかり根拠を示した上で記述されている。これは単位確実なレポートだ。
「…魔法使えるって本当だったんだな」
「だから言ったじゃん〜?嘘はつかないよ」
「その、なんだ、ありがとう…………助かったよ、雨。」
もぞもぞしながらお礼を言うと雨は一瞬驚いたように目を見開き、再び目を細めて微笑む。
「雅人が僕に感謝するのなんて初めてだね?………でも言葉よりもこっちが欲しい」
いきなり両手首を掴まれ、ベッドへ押し倒される。
一瞬の出来事で抵抗すら出来なかった。野郎に覆い被され、ふと温かいものが唇に触れる。
「………?!」
雨の長い睫毛が触れて擽ったい。どういうことか、雨と俺はキスをしている。
今すぐにでも引き離したいのに予想以上に手首を掴む力は強かった。雨はうっとりしながら俺の唇をゆっくりと舐めあげる。
「っはぁ……お前、どういうことだよ?!やっぱり変態野郎じゃねえか!」
「誰もタダで魔法使うとは言ってないでしょ?てか雅人甘い味してすっごく美味しいんだけど…」
「ちょ、っふ……ん…………」
やっと解放されたと思いきや再び唇を塞がれる。
息が苦しくなり酸素を求めて口を開くと、ぬるりと熱いものが入ってきた。
俺の舌を吸っては離し上顎から歯列をなぞる。悔しいが気持ち良い。綺麗な顔で貪るようにキスをされ次第に抵抗する力も弱まり、頭もボーッとしてきた。
「あ〜やっぱり雅人美味しいよ…こっちの味も確かめたい」
ぼんやりとした意識の中でベルトを外し、チャックを降ろされているのが何とかわかる。
「おい、ふざけんなって……」
「全然ふざけてないよ?魔法を使ったらこうやってチャージしないといけないんだ。なに、レポートいらないの?」
「うっ…………」
一度さらっと読んだとはいえ、あのレポートを自分で書けと言われたら無理である。
なんだ、もしかして魔法を使うたびにこうやってイヤラシイ目に合うってことか。妙に嫌な予感がすると思ったんだよ。
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