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食事管理
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御部屋でも御主人様は私の隣に居て下さる事が多い。
書類を広げる御主人様の膝に頭を乗せ寝かされる。
腹が満ち暖かな部屋で横になると睡魔が襲う。
思えば昨晩は吊るされたまま夜が明けたのだ。
私の意識は抗えず沈んでいった。
ふわりと漂う香りに目が覚めた。
見上げた先には眠りに落ちる前から同じ姿勢の御主人様が居た。
『食事だ、起きろ。』
「おはよう、ございます。」
寝惚けた頭のまま身体を起こすと書類が広げられていたテーブルに食事が用意されていた。
長い事寝てしまっていた様だ。
先程過ぎた食事の時間が再び訪れた。
伸ばした足を降ろし机に向かう。
目の前にはパスタとスープとサラダが並んでいた。
『食べなさい。』
「…はい、頂きます。」
ちびちびと口に運ぶ。
しかしながら朝食を食べてから寝ていただけだ。
全く空腹は感じていなかった。
御主人様よりも少な目に盛られた筈の皿は遅々として減らなかった。
飲んでいたスープを取り上げられる。
顔を上げると眉間に皺の寄った御主人様の顔がこちらに向いていた。
『なぜお前は食事だけこんなにも手が掛かるんだ?
他はああも従順だと言うのに。』
「申し訳ありません。
美味しいとは思うんですけど、中々入っていかなくて…。」
ふう、と溜息が聞こえる。
巻き取ったパスタが口元に運ばれる。
自ら口に入れ必死に咀嚼した。
以前の御屋敷では成長期を迎えてから硬いパンが日に二つ与えられるのみだった。
使用人達から情けをかけられる以外は性奴隷上がりの者達はその他を口にする事も無く私の身体は食べない事に慣れてしまったのだ。
それでも四年掛け御主人様から与えられた食事に慣らされ徐々にではあるが日に三食も口に出来る様になった。
う、と呻く。
繰り返し与えていた御主人様の腕が止まった。
「申し訳ありません、もう…。」
緩く頭を振ると向けられていたパスタが御主人様の口に飲み込まれた。
胃袋がはち切れそうだ。
ことり、と水の入ったグラスが置かれた。
「ありがとうございます。」
有難く頂き飲み下す。
御主人様の隣でふうふうと息を吐く。
残った料理をぺろりと平らげた御主人様は廊下で待機していた使用人に声を掛け片させた。
ソファに涙目で腰掛ける私に冷えた中国茶が渡される。
すっきりとした飲み口は食後重たくなった胃を鎮めてくれるのを経験から思い出した。
食器を乗せたカートを押し使用人は部屋から立ち去った。
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