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崩壊への恐れ
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陽の光に目が覚めた。
絡み付く腕に御主人様の帰宅を知る。
頭を揺らし場所を確認すると御主人様の御部屋に連れられた事が分かった。
ベッドには御主人様と私。
壁には何も留められていない鎖。
誰も居ない事を確認し規則正しく呼吸を繰り返す御主人様にまだ目覚めぬだろうと擦り寄り再び微睡みに沈んだ。
身体を弄る手のひらに起こされる。
横に居た筈の御主人様は上から私を見下ろしていた。
頬が撫でられ擦り寄る。
「ご主人さまぁ…。」
寝起きの声で呼び掛けると柔らかく口付けが落とされた。
ちゅ、と唇が触れ合い腕を御主人様の首に絡める。
熱い舌が口内を掻き回し引き抜かれると糸がつう、と伸びた。
すりすりと御主人様の首筋に擦り寄ると指先が胸板を撫で揉み込まれた。
手のひらに擦られる私の乳首は直ぐ様形を変えぴんと弄られる事を望んでいた。
『今日は見学だ。
朝食の後、身支度をしろ。』
身体を起こす御主人様に告げられる。
見学は私の仕事の一つだ。
地下の調教部屋で奴隷達の前で御主人様と交わるのだ。
奴隷達に御主人様に可愛がられる様を見せ甘やかに蕩けさせられる。
「はい、御主人様。」
にこりと表現を作り今触れられぬ悲しさに蓋をした。
御主人様が排泄箱を用意した。
跨り排泄を済ませ御主人様と共に食堂へと向かった。
食堂の扉を開け頭を下げる使用人一人一人に挨拶をして歩く。
皆にこりと笑みを作り返事を返してくれるのだ。
人間にとっては些細な事であろう。
しかし、私は生まれながらの畜生なのだ。
ソファへ腰掛けるといつもより御主人様が近く、太腿がぺたりと合わさる。
伝わる温かさに、ふと泣き出したくなった。
いつもそうだ。
御主人様が仕入れや納品に出掛けられると別の奴隷を連れ帰ってくるのではないかと不安になるのだ。
仕込んだ奴隷が可愛くなり私は要らなくなってしまうのではないだろうかと、そんな思考が止められなくなってしまう。
『食べなさい。』
「はい、頂きます。」
必死にパンを口に詰める。
そんな様子を周りの人間はじっと見守っていた。
はあ、と溜息が耳に届く。
御主人様を見上げようと手を止めると腰を引かれ密着させられた。
『何をそんなに急いている?』
落ち着いた御主人様の声が食堂に響く。
びくり、と私の身体は震えていた。
背中を優しく摩られる。
「いえ、何もありません。」
ゆるゆると頭を振る。
『であればもう少しゆっくりと食べなさい。』
眉間に皺を寄せた御主人様に咎められこくりと頷くと額に口付けが与えられた。
そっと身体を離し普段の様に食事をし始めた。
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