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「はぁ…やっと一日終わった…」
僕は学校が終わるとすぐに寮の部屋で横になった。
今日はクラスミーティングがあり、時間はすでに7時を回っている。
「まりも、僕シャワー浴びてくるから」
そう言うと、ポケットからぴょんっとまりもが飛び出した。
「おふろはいるの?」
「うん、そうだよ」
「じゃぁ、ここで待ってる!」
そう言ってまりもは僕のベッドに乗った。
「いいけど、そこでお菓子食べるなよ?」
「分かってるもんっ」
ぷぅっと頬を膨らませたまりもを撫でてから僕は起き上がり、各部屋についているシャワールームへ向かった。
洗顔で顔を洗うと、化粧が徐々に取れてくる。
特に念入りに目の周りと腕を洗ったあと、白くて柔らかい髪にもシャンプーを落とした。
後ろの鏡に写る自分の姿がみたくなくて、後ろを見ないように気をつけて洗った。
本当はこんな髪じゃなくて…普通の黒い髪が欲しかった。
昔は綺麗だと言ってくれた父さんも母さんも、もうここにはいないのだから。
シャワーから上がり、スウェットとTシャツを着て扉を開けると、まだほとんど開いてないのにそこからまりもがすごい勢いで飛び出してきた。
「うわっ!?まりも、何だ?どうかしたか?」
そう聞いても、まりもは何も言わずがたがた震えながら僕の服の中にするりと入った。
「あ、こら、ポケットはいいけど服の中はダメだって言ってるだろ…何だよもう…」
言いながら扉を再び、今度はしっかり開く。
脱衣所から出てから、その来訪客の存在に気付いた。
「え…煌…?」
「いや、桜子からお前に伝言預かってきたんだけどさ、風呂だったみたいだから待ってたんだわ。それよか…」
そこで言葉を切り、煌はこっちに向き直った。
「なに独り言言ってたんだ?誰かいるのか?」
「い、いや…誰も…」
「それに…その額と腕の文字…書いたわけじゃなさそうだけど…?蛇って字も消えてるし…」
そこでようやく僕は気付いた、今メイクをしていないことに。
しまった…
慌てて両手を使って両方の字を覆うが、時すでに遅し。
「それ…悪魔の印か…?」
「…っ!」
ばれてしまった、自分の警戒が甘かったから。
せっかくの友達を…友達と呼べるようになった人を…失って…
「…ぼく、は…」
すくっと煌は立ち上がって、僕のすぐ前に立った。
軽蔑される…叩かれるかもしれない…
それでも僕が悪いんだ、騙して居たんだから…
ぎゅっと目をつぶったが、意外にも僕を襲ったのは叩かれる痛みでも軽蔑される悲しみでもなく。
ぎゅぅっと抱きしめられて、背中をそっと撫でられた。
「へ…?」
「何怯えてるんだ…?真白」
「だ…だって、僕は…」
「真白は真白だろ?」
…親ですら受け入れなかったこの印を、煌はいともたやすく受け入れて見せた…
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