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翌日、あっという間に夜砥は学校中の話題になった。
伝説の悪魔の印として。
…何が悪魔の印だよ、そんな嘘ついて何の得がある…
苦労しかしないのに…
「零、夜砥すごいぞ!ちょっとつまんだだけで、服破れるんだ!」
うん、鷹は掴む力が強いから…
「…悪魔の印なんて、僕はどうでもいい…」
「…ねぇ、君」
「…?」
聞きなれない声を掛けられ見上げるとたくさんの取り巻きを連れた夜砥が僕を見下ろしていた。
「俺、悪魔の印なんだけど」
「…うん。知ってる」
「今、どうでもいいって言った…?」
「うん…僕には関係ないから」
すると怒った様子で夜砥は僕の机を叩いた。
「どうして俺を崇めない!?伝説の悪魔の印だぞ!」
…バカなのかな…
僕がうつむくと、夜砥ははぁっと短いため息をついた。
「まぁ、許してあげるけど…次バカにしたようなこと言ったら俺の力で潰してあげるから」
そういやらしく言うと、夜砥は取り巻きを連れて僕から離れた。
僕がはぁ…とため息をつくとまりもが心配そうに僕を見やっているのに気付いて撫でてやった。
「それにしてもさー」
夜砥がこうに話しかけている現場を偶然見てしまった僕は、何だかいてはいけないような気がしてそっと隠れる。
「ん?なんだ?」
「あの真白とかいうやつ、すげぇうざいんだけど。俺がわざわざ話しかけてやってんのにお高く止まりやがってさぁ、ずいぶんわがままに育てられてきたんだなぁ」
「…」
あのおしゃべりな煌が、黙った所を僕は初めて見た。
それでもその不穏な空気を感じられないのか、夜砥は話を続ける。
「だいたい、伝説がきたら普通崇めるだろ。マジ常識もねぇのな。頭も悪そうだし暗いし、絶対友達いないタイプだよー。それでもって俺は特別とか思ってる感じのイタイ…」
夜砥の言葉が、止まる。
「…それ以上言うと」
煌の腕が夜砥の胸ぐらを掴んで少し持ち上げた。
「ぶっ殺す」
「…な、何言っちゃってるんだよ、煌。そんなの僕の力で君が死ぬんだよ、?」
そう言う夜砥の額には汗が浮かんでいた。
「殺せるなら殺してみろ…。お前…本当に伝説の悪魔の印か?そんな性格で今まで良くやって来れたな、お坊っちゃま」
それだけ言うと煌は夜砥を壁に叩きつけて離れた。
そのまま僕の方へ歩いてくる。
やばい、と思ったけれど隠れる間もなく見つかってしまった。
「…零?」
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