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伝わる。 side 藤倉
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俺が買ってきたケーキを、葉山がフォークで小さく切って口に運ぶ。
真っ白な肌につやめいた黒髪がきれいで男にしては艶めかしい。
[おまえそこらの女よりふつうに綺麗だよな。]
[…藤倉さん気持ち悪い。セクハラですよ?]
小さな口をもぐもぐさせてこちらを不服そうに見つめる。
誉めているのに。
[ほめてんじゃねーか。]
[はいはい、ありがとうございますー。]
[それよかおまえ、今回の原稿どうなりそう?]
すこし。
ほんのすこし。
葉山が下唇を噛む。
[すすんでねーの、]
[…プロットはできてます。]
悩ましげに瞳を震わせて、紙をこちらに見せる。
今時紙ですすめるのも珍しいよな、と考えながら読む。
[…なん…、…ああ、そういうこと……]
そのプロットは今までよんできた葉山のどのプロットよりも重たく、暗かった。
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