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発作
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瑞希side
類が帰ってから数時間、けぃくんと話してから病院の外までお見送りに行った。
看護師さんにはお見送りとしか言ってないけど喉乾いたし、少しだけ売店に寄ることにした。
売店は2階にある。売店のコーナーにつくと早速飲み物などを選んだ。
普段は姉か看護師さんが買ってきてくれるので、自分で買いに来るのは片手で数えれるくらいだ。
それに病気のこともあってあまり病院内でもうろつくことはおすすめされていない。
だから自分の足で歩くというのはごくたまになのだ。
それもあってなのか、少しはしゃいでしまい、後ろにいた男の人にぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい!」
「大丈夫。君こそ大丈夫?」
その男の人は長身で真っ黒な黒髪に綺麗なブラウンの瞳が特徴的だった。
かっこいいなー、そう思いながらじっと見つめていた。
「どうかした?」
その言葉に我に返って謝罪をし、その男の人とは別れた。
男の人は不思議そうにしていたがその場を後にした。
あのひとモデルでもやってるのかな〜?あんなイケメンで…いいな……。
お会計をして部屋に戻ろうと売店を出ようとし、ふと黒い手帳のようなものが落ちているのを見つけた。
「なんだこれ?生徒手帳??」
それは、桜ヶ丘学園の生徒手帳だ。
その手帳にはさっきの男の人の顔写真と名前が書いてあった。
これ、失くしたら困るやつだよね。
そう思い急いで男の行ったほうに向かった。
◇◇◇◇
病院の外に出て広場に来た。
ここの広場はリハビリのできるスペースや子供達の遊べる公園、散歩できる散歩道などいろいろ整備されている。
僕は公園の近くの桜並木のある近くにあるベンチへ向かうことにした。
カバンに本が数冊入っているのを見たのでもしかしたら、静かな自然のある場所で読書するんじゃないかという考え方だ。
まぁ漫画などの受け売りなので確信はないんだけど。
(やっぱいないかwそんな漫画みたいなこと……)
しかし彼はいた。
静かに1人読書をしていた。
いた。ほんとに漫画みたい。
なんか座ってるだけで絵になる人だな。
「あ、あの……桐生君?これ落ちてたんですが……」
彼は名前を呼ばれたことに驚いたのか僕の顔をじっと見てきた。
そして、何もなかったかのように生徒手帳を受け取ると「ありがとう。」と呟き、桜並木の向こうへと去っていった。
なんか、かっこいい人だったな。あ、そろそろ病室に戻らないと看護師さんに怒られちゃう。
そう思い足を動かそうとしたが、足の力が全て抜けその場に崩れ落ちた。
地面と顔の距離が近づき、起き上がろうともがいたが、体がいうことを聞かない。
息も苦しくなりそろそろ限界を感じはじめ、意識が朦朧としはじめた。
これ、やばいやつな気がする。こんなとこで僕死ぬのかな?やだな。もう少し生きたかった。まだ、まだ死にたくない…………
朦朧とする意識の中僕を呼ぶ声がしたがそれに反応することができず、ゆっくりと意識を手放した。
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