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類との出会い
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類side
今日は初デートに最近できたテーマパークに来た。
10年間片想いしている瑞希と。
◇◇◇◇
物心ついたときから、父親が仕事ばっかりで自分にかまってくれないことにずっと不満を抱いていた。
そのせいで病院に行くのが嫌で……まぁ早すぎる反抗期みたいなものだ。
でも6歳の時に無茶をして父親の病院に短期入院をすることになった。
すぐに治して出て行くつもりだった。瑞希に会うまでは。
退院間近のことだ。俺は調子に乗って病院内を走り回ったり、病院内でかくれんぼしたりしては看護師を困らせていた。
そんなことを続けていたらさすがの父親も怒り、退院できるまで病室に隔離されて暇をしていた。
そんな時に俺の部屋に1人の男の子が飛び込んできた。
(か、かわいい。)
「あ、あの。勝手に入ってごめんなさい。もうちょっといてもいいですか?」
何この子。めっちゃ可愛い。もろタイプ。
「あ、あの……だめかな?」
「い、いやだめじゃない。いいよ。あ、あのさ。名前聞いてもいい?」
急に名前聞くのはまずかったかな?
困ってるな。どうしよ。話変えなきゃ。えっと……
「みずき……です。」
「え?」
「名前。紫ノ原瑞希……って言います。」
瑞希か。名前まで可愛い。それに、人見知りかな?なかなか目が合わない。
「俺、神澤類。よろしく、瑞希ちゃん!」
あ、目があった。やっぱり可愛い。
少しだけ顔が赤い?照れてるのかな!ってことは、俺に気があるとか…?
いや、ないかww
「神澤ってもしかしてこの病院の悪ガキ?」
悪ガキ!!?
誰が?俺?
いやいやいや。今のは空耳かも。そうに違いない。
だってこんなかわいい子がそんなこと……
「あ、急にごめんね?噂で聞いただけだから気にしないで。神澤先生の子供なら僕と同い年だよね?」
お、同い年?どうみても年下に見える。いや、でもしゃべり方がおとこっぽいというか……。
「僕、同い年の友達っていないからずっと会いたかったんだ。と、友達になりたいなって思ってて。」
僕?聞き間違いじゃない。
男?
「瑞希ちゃんってもしかして男の子?」
瑞希ちゃんは首を傾げてさも当たり前のように頷いた。
終わった。俺の初恋が数分で終わった。
こんなにかわいいのに男って。詐欺だろ!それとも神様のいたずらか。
どっちにしても失恋したのに変わりはない。
「あ、あの……どうかした?友達やっぱり嫌?」
か、かわいい!!!!!!!その顔やめてほしい。
そんな頼まれ方して断れるわけがないだろ。
「嫌じゃない。なりたい!」
「ほんと?ありがとう♡たまにこーやってあいにきていい?」
「俺もうすぐ退院なんだ。でも、会いに来るから!毎日でも!!」
瑞希は「毎日って大変だよ。でも嬉しい!ありがとう♡」って笑って言った。
◇◇◇◇
俺はあの時のことを一生忘れないだろう。
退院したあとも何度も会いに行っていろんな話をした。
瑞希の病気のことや余命のことも。
それでもいつも笑顔でかわいい瑞希に心底惚れた。
何度も忘れようとしたし、俺はホモじゃないと何度も自分に言い聞かせたがやっぱり自分の気持ちに嘘はつけなかった。
だからこの6年間の片想いをそろそろ終わらすのもいいかもしれない。
いい結果でも悪い結果でも、伝えないよりはすっきりするはずだ!
折角のデートなんだ。初デート。
この日に言わなくてどうする。
今日告白する。瑞希にとって最初で最後の外出になるかもしれないんだ。
「類!!見てみてー!あの花なんていうの?すっごく綺麗だね!」
この笑顔独り占めしたい…………
「なぁ、瑞希。後で大事な話があるんだ。どうしても今日聞いて欲しい。でもまぁ、今は友達として思いっきり遊ぼうぜ!」
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