アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
大好きな姉と弟
-
瑞希side
僕と類が他愛のない話をしていると、ドアをノックする音が聞こえた。
僕が「どうぞ。」と声をかける間もなく、勢い良くドアが開かれ、1人の少年がとびついてきた。
「にぃちゃん♡会いたかったよ〜」
少年の後ろには女性も1人立っていて僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「元気にしてた??相変わらずちっちゃないな〜瑞希は」
「けぃくん、いきなりとびつくのは危ないよ。ねぇちゃんも余計なお世話だよ!まぁ、元気だけど。」
病室に入ってきた2人は、僕の姉の紫乃原 汐莉(シノハラ シオリ)と弟の紫乃原 圭太(シノハラ ケイタ)だ。
弟のけぃくんは、1ヶ月に1度僕に会いに来てくれる。姉の汐梨はここ、神澤総合病院で研修医として働いていて、時間が空くとこうして逢いに来てくれるのだ。
圭太は1つ下で『けぃくん』と呼んでいる。けぃくんは見た目は僕とうりふたつというくらいそっくりなのに性格は真逆でいつも、不機嫌そうな顔をしている。
僕の前でしか笑顔はもちろん喋ることもあまりしないみたいだ。
姉は現在23歳で文武両道の才女だ。正直同じ血が通っているとは思えない。強気でかっこよくて僕の昔からの憧れなのだ。医者を目指すって聞いた時はびっくりしたが姉らしい夢だと思い応援している。
「にぃちゃん!これ言ってたスケッチブックと色鉛筆だよ。持ってくるのおそくなってごめんね?」
けぃくんはかばんからスケッチブックと色鉛筆を取り出し机の上に置いた。姉も果物を持ってきてくれたみたいで机に置いてくれた。
「ありがとう!!」
僕はさっそくスケッチブックを広げて絵を描き始めた。
「類くん久しぶりだね?また身長伸びた?」
「は、はい。久しぶりです。少しだけですけど…//」
類が緊張しながら姉と話しているのを横目で見ていると僕の絵を覗きこむかのように類の顔が近づいてきた。
「汐梨さん、また一段ときれいになった?」
深刻そうな顔で類が話すもんだからつい笑いがこみ上げてきた。
「ハハッ。急に真面目な顔するから何言うのかと思ったら……ククッ……もしかして、類、ねぇちゃんの事好きなの??」
「ばっ………ばかか!!なに言ってんだよ!!ち、違うに決まってんだろ。つーか笑いすぎだ!!」
顔を真っ赤にしてそっぽを向くのが余計に可笑しくなって類の真っ赤な頬をつついてみた。
「そんな真っ赤にさせて、『はい、そうです。』って言ってるようなもんだよー?類は分かりやすいなー」
「だから違うって言ってんだろ!俺は好きな人に似てるなーっておもっ………!!!! ゴホッ…ゴホッ……なんでもねーよ。」
わかりやすい。素直すぎというか単純というか。まぁ、好きな人って言ってもクラスの女子とかだろう。僕には関係ない話だ。恋なんて知らずに生きてきたんだし………。でも、まぁ類をいじるのは楽しいけど。
「ていうか、その絵何描いてんの?うまくなったよなー!!」
わかりやすいくらい無理やり話を変えてきた。まぁ、別の機会にからかうのもありかな?話をそらすってことは聞いてほしくないんだろうし。
そのまま類の話に合わせていると「ゔー!!!」と地鳴りのような低い唸り声が聞こえてきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 16