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01 多分主人公です。
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俺の恋人はとっても可愛い。
自慢の恋人を持ったリア充です、どうも。
そんな俺の自慢の恋人、忍(しのぶ)はワンピースが好きみたいで、デートのときは清楚系で来ることが多い。
白とかピンクは勿論可愛いけど、忍は青系が特に似合ってると思うんだ。
メイクはナチュラルで綺麗系というよりは可愛い系で本当何から何まで、俺好み。
忍曰く、ナチュラルメイクこそ厚化粧なんだよ、騙されてるね。と笑っていたけれど、高校二年でその顔は反則的に可愛いだろ。
学校でのスッピンだって睫毛は長いし色も白いし。忍は嫌がるけど俺にしてみればどっちも十分に可愛い。
俺たちは同じ高校に通ってて、割と有名な進学校。その中でも二人とも学力は良い方だったりする。良い方、というか数えると両手で足りる位。
そんな俺たちの通う高校はちょっと変わってる。
クラスはA~Fにアルファベット表記で分かれていて、学校の方針で学年で学力の良い順に上位二名が生徒会(A、Bクラス振り分け)その次の三名が風紀委員(A~Cクラスに振り分け)、その次の二名ずつがクラス委員(各A~Eクラスに順に振り分け)という妙な決まりがあって、県大会に出場する部活のレギュラー候補の生徒と何かしら優秀な成績を収めている生徒だけは事前に提出しておけば免除希望が受理される。
因みに振り分け方法で気付いたかもしれないけれど、Dクラスは運動系に、Eクラスは文系・芸術系に特化していて学力成績も収めている生徒の振り分けクラスで、Fが所謂おちこぼれ、ってやつ。
このクラス分け基準は二年と三年は始業式に一年間の総合成績で決められるが、一年はそこまで任務を強要されない代わりに入試の成績順で問答無用に決まる。
俺と忍は入試の結果が良かったのか一年の時は運悪く風紀委員に任命されてしまい、せめて二年はクラス委員まで落ちようと二人でわざと成績を調整したのに、俺たちの成績を抜いていってくれたのは野球部とバスケ部のスーパーエース君たちで事前申請がしっかり通っていて残念なことに再び二人揃って風紀委員となってしまった。
『たっくん、今日の放課後見回りだって。山水(やまみず)君にも伝えてくるね』
昼休みという事もあって全開に空いている窓。
廊下側から覗き込んで会いに来てくれたのは間違いなくさっきから自慢しまくってる俺の恋人で、ああ可愛い。
今日も相変わらず可愛い俺の恋人が呼んでいるから、何で始めちゃったか忘れたけど俺たちの学校説明はこれでおしまい。
ん?ちょっと待て。見回り?
「えーアイスは?」
『すぐに終わらせて食べに行こう、それなら間に合うでしょ?』
風紀委員なんかになってしまったせいでクラスが分かれてしまった俺たちは休み時間はそれぞれの都合があるだろうから決め事にはせず、昼休みだけは必ずいつも一緒に過ごす。
今もその為に呼びに来てくれたのかと思えば突然の放課後委員会任務の知らせに機嫌を損ねた俺は幼い子供のようにツノ口をして不貞腐れると、にっこりと柔らかく微笑みを此方へ向けて宥める忍。
ああ、上手く転がされてるな俺。
穏やかな優しさが忍の好きな所でもあるけど、放課後デートを邪魔されたのは本当遺憾だよ。ムカつくな、委員長。
同じ犠牲者である山水にも伝えるべく隣のA組へ行った忍の後ろ姿を見て絶対にすぐに終わらせてやると心に誓った。
アイスを楽しみに今日の授業頑張ったんだ、冗談じゃない。
そんな不満をブツブツと漏らしていたのか、先ほどまで忍がいたポジションに生徒会の奴が立ち止まり変なものを見る目でこっちを見ていた。
「何見てんの、イケメン生徒会」
『呪いでも唱えてるのかと思った、流石にそれはちょっと気持ち悪いよ、阿久津(あくつ)クン』
「イケメン否定しろよ」
『ああ、言われ慣れてるから反応するのも面倒で、ごめんね』
「ひとりで何してんの、友達いないの」
『購買で飯買って来ただけなのに、その言われようは何かな。阿久津クンこそ、大好きな佐古(さこ)クンにフられたの?』
「恵二朗(けいじろう)のとこ。委員会の連絡。」
『ふーん、なるほどね。緊急招集かかってデートの邪魔が入って委員長呪ってたってとこか。』
壁を挟んで廊下と教室で会話する奇妙な光景も俺が廊下側の席であるが故にそれほど珍しくはないけれど、このイケメンは見降ろしてくる顔も本当に整っているわ、会話の流れで俺の怒りの矛先も今の短い会話だけで一瞬で理解する頭の良さを持ち合わせているわで、今の俺にはこいつの全てに腹が立つ。早くクラスへ帰れ。
御愁傷様、と無理やり会話を終了させて軽やかに去って行ったのは忍が帰って来たからだってのもわかってる。あれはモテるな、悔しいけどモテる。
『あれ?石神(いしがみ)君どうしたの?』
「知らね、ちょっかい出してきたからあしらってやった」
『またそんな言い方してー。石神君いい人でしょ』
「何、忍はあのイケメンがいいの」
『もうっ、たっくん!…たっくんが一番好きに決まってるでしょ』
拗ねた俺に頬を膨ませて、最後は可愛らしく顔を紅くして照れる忍が見たくてわざと意地悪なことを言う。
こんなバカップルはもう何年になるのだろうか。
俺たちの始まりは、中学二年頃からだからもう三年半になるのかな。
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