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13 変わったもの、変わらないもの
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10分経っても、20分経っても、忍は部屋に篭って姿を見せてくれない。
しかもコールしてもシカトだ。
【忍?ごめん、俺怒らせた?】
無論、メールもシカト。
まずい…
頭を抱えて唸っていると玄関の扉がガチャリと音を立てた。
「…え……」
『たっくん!』
ナチュラルメイクを施した忍が裸足のまま駆け出してきて飛び付いてきた。
驚いたまま衝撃ごとその身を受け止めるが、やはり以前より大分痩せたのか手が余る。
「痩せ過ぎだぞ、忍」
『ごめんね』
「クリスマスも年越しもぼっちだぞ」
『ごめんね、あけましておめでとう』
「今更だな、おい」
『たっくん』
「うん?」
大好き。
人を愛おしいと想うとこんな表情をするのか。
そうはっきりと意識できる顔で見上げてきた忍は本当に綺麗で、見惚れるほどに可愛い笑顔を向けてくれた。
自然と笑みが伝染してきて、心のままにグロスで濡れたふっくらとした唇にそっと触れたら、それまで我慢してきたものが抑えられなくなってしまう。
俺の、忍。
やっと戻ってきた。
忍、好きだ、大好きだ。
「ん…んぁ、ん、んっ」
『可愛い声出すなよ、興奮するだろ。責任取らせるぞ』
「…んぁ…はぁ…たっくん、もっと…欲しい」
『…っ、お前なぁ…』
抱きしめて甘い甘いキスをして、おねだりして見上げてくる恋人は今すぐ食ってしまいたいほどに可愛いけれど。
ここ、お前ん家の玄関前だって知ってる?
『ちゃんと学校来れるようになったら、ご褒美たっぷりくれてやるよ』
耳元に唇を寄せて、出来る限り甘く囁いてべろりと舐めると、俺の疼きを煽る甘い吐息が忍の口から漏れた。
俺の方が我慢するの大変だし、拷問だってわかってます?お姫さん。
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