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乙女ゲームの悪役令嬢の兄に転生したんだかいつの間にか俺が攻略対象を攻略していた件について
あんなこんなでこんな目に
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俺は今王都に来ている。
理由?強いていうならゼアドの付き添いでだ。ゼアドは王都で王様との会談があるらしい。それに付き添いで俺は街にきた。流石に王様との会談に俺が出席するわけにも行かない。
だから俺は門の前でゼアドと別れることにした。
運がいいことに俺は顔が地味だ、ごくごく普通の顔をしている。しかも別に伯爵家と言えど顔を知られてるわけでもないので、ある程度変装すれば王都を歩いていても声をかけられることすらない。
「トバリ、本当にひとりで街を歩くのか?」
心配そうに言うゼアドに俺はもちろんだと笑顔で答える。
「心配しなくても浮気なんてしないから安心しろ」
な、ダーリン?なんてふざけたように言えばゼアドはその言葉忘れるなよ、と吐き捨てるように言い門の中へ入っていった。
なんだ、今日は珍しく機嫌が悪いな。そう思いながら俺はくるりと回れ右をして街へ向かう。
久しぶりの、街だ。
恐らく、学園に入るまではもう来ないであろう王都だ。
なら思いっきり回って帰ろうと気を抜いた。
晩御飯のおかずを自分で探してみようと八百屋に顔を出した。
「お兄さんなんだい彼女もなしかい?」
八百屋のおばさんにからかわれてうっせー!と前世のような口調で言う。おばさんは楽しそうに笑いながらうちの娘なんてどうよ、と愛らしいおさげの女の子を勧めてくれた。
「2年後にゃ学園に入学しちまうがお兄さんと同い年くらいだろ?数年後には私似の可愛い娘になってるって保証するよ〜」
「ちょっとお母さん!」
真っ赤な顔でおばさんを叩いている少女は大変愛らしい。うん俺の好みドストライク。
2年後かぁ………ん?ということはつまり俺と同い年!?!?
こいつは驚いた…
「同い年ってことはちょっと期待しよっかな?」
やっぱり彼女が全く欲しくないってわけでもないのでそんなことを言ってみる。学生らしく恋愛ってのをやってみるのもありじゃないかな。
「お兄さんまで!!!!もう!いっつもいっつも気が早んだってばーーーーー!!!!」
女の子が必死になって声を大きく出す、隣のおじさんも微笑ましそうに見ている。
ああこれが街の雰囲気だ。前世でいうと商店街かな
俺が懐かしさに目を細めていると後ろから肩を叩かれた。
「トバリ、」
その声に以外と早かったなと俺は驚いた。
「なぁんだぜアドもう終わりか?」
そこには面会が終わったのか足早にこちらに向かってきたと思われるぜアドがいた。俺はちょうどいいと思ってぜアドにもう一度声をかける
「今日の晩飯何がいい?」
するとぜアドは迷いもせず言った。
「お前の作るものならなんでもいい」
ぜアドさんそれが一番困る回答なんですが。
その後俺たちは晩御飯を探すために街をゆったりと巡ることになった。
もうしばらく来ないであろう王都、
俺はいつも以上に前世を思い出しながら巡った。
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