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乙女ゲームの悪役令嬢の兄に転生したんだかいつの間にか俺が攻略対象を攻略していた件について
長生きしたい
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「では愚図、話をしよう。」
俺を呼ぶ声に耳を傾けるとまたマーリンがアルフレッドに何をまた言おうとする。
「マーリン、落ち着くんだ、俺を心配してくれるのは嬉しい。でもダメだ落ち着いて、一度自室に戻っておいで」
俺がマーリンを止めたのはこのままではあのゲームでアルフレッドにマーリンが苦手意識を持たれてしまうであろう言葉を言わせたくなかったからだ。それを言わせるくらいなら俺はマーリンを守る。
『私より優れてない者と口など聞きたくないわ!』
初対面の時にマーリンがアルフレッドに放つ言葉はあまりにも小さな子供には毒すぎると思うのだ。
「お、お兄さま…」
「今日ばかりは可愛い妹の頼みでも聞かないよ、今すぐ戻れ、いいな?」
何か言いたそうなマーリンに俺は早く出て行くように
追い討ちをかけた、きっとこの子は俺の言うことを聞いてくれる。
「…わかりました、お兄さまを ぐず よばわりするこの人に 何かされたら すぐよんでくださいな!」
マーリンは一度アルフレッドと睨みつけてから素早くドアのところまで移動してこちらをみた
「マーリン、いい子。後で面白い話をたくさんしよう」
マーリンは不安そうな顔をしながら小さく頷いて外に出て行った。
「くはははっお前は妹をよく躾けているのだな」
まるで愉快だというように笑うアルフレッドに俺はにこやかに笑った。
「躾ける?そんな訳ないでしょう、ただ意見の尊重し合いをずっとやってきただけです。」
このポンコツめ誰が躾けるか、むしろ天使のような妹の純粋さを守って道を優しく教えつつ自分で選ばせてるだけだ俺は。
「そうか?まぁこの話は後日詳しく聞こう。…貴様は馬鹿か?」
地味に後日会う予定を立てたアルフレッドは俺のことを馬鹿よばわりした。待て俺は馬鹿よばわりされるようなことはしてないぞ?
「わかってないのか、お前は水分不足で倒れたんだぞ」
つまり水分補給を怠ったことを怒っているのかこいつは。
「死にたいのか」
いつの間にか俺との距離を詰めていたアルフレッドに真剣な目をして言われた。
「死にたいわけがないだろう」
前世では妹の晴れ姿も見れず、親に孫の顔すら見せれてないんだ。そんな家族不孝者にまたなりたいわけがないだろう。
「もっと長生きして家族の幸せな姿を見たいんだ」
だから無理をしてでも体力をつけたかった。アルフレッド、お前にわかるわけがない。
「なら、適度に休め、次の訓練からは俺も同伴する。ミラン様のご意思だ。わかったな。」
何か言いたそうに眉を寄せながらアルフレッドはいった。
「今日は休め、愚図」
アルフレッドは俺をベッドに押し倒してから素早く部屋から出て行った。
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