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乙女ゲームの悪役令嬢の兄に転生したんだかいつの間にか俺が攻略対象を攻略していた件について
線引き
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エドリックの言葉に俺が固まるとアルフレッドは少し声を殺しながら相手に問い詰めた。
「なんでそんなことを知っている、確かお前トバリと初対面だろう?」
「簡単なことじゃぁないか、俺がトバリのことを気に入ってるからさ。」
戯けたように言うエドリックにアルフレッドは舌打ちをしながらまあいいと言い俺の腕を掴んだ。
すいませんアルフレッドさん、俺にとったらそれまぁよくないことなんですけど、プライバシーの侵害だよ。あとエドリックさん説明になってません。
俺が内心困惑しているとアルフレッドが俺の手を引っ張って歩き出した。
エドリックはその様子を見つつつまらないな、と一言つぶやいてからすぐにその場を離れた。
「今は見逃してあげるよ」
そうエドリックがつぶやいたときには俺とアルフレッドはもう会場を出て月明かりを浴びていた。
綺麗な青い月、その月明かりに当てられて俺とアルフレッドは穏やかに話をしていた。
というか穏やかに話をする以外何もできなかった。
するとふいにアルフレッドが心配そうな顔で俺の頭を撫でた。
「トバリ無理するんじゃねぇぞ、いいか、あいつはお前の従兄だが危険だ。」
まるで子供に言い聞かす親のように言うものだから俺は内心少し笑ってしまった。
「俺もお前をサポートしよう、お前は俺を兄のように慕ってくれているらしいしな」
そう言った言葉には棘はなくむしろマシュマロみたいにふわふわしたような言葉だった。
「今は 兄として接してやるからいっぱい甘えとけ、いつかお返しはしてもらうけどなぁ?」
少し意地悪そうに言った言葉に俺は甘えることにした、アルフレッドはよく俺をわかっているのかもしれない。
「あなたは俺のことを身内以外で一番知ってるかもしれませんね」
先ほどエドリックに言われた言葉をかき消すように俺は言葉を言った、仕方がない、だってあいつはお母様に似ていて俺を苦しめる原因の一つになっているのだから、あいつのせいでなくてもそれは嫌なのだ。
それ以前に俺のプライベートを知ってたことで評価はガタ落ちだけどな。
俺が困ったように笑っているとアルフレッドはもう一度俺の頭を撫でた。それはもう乱暴に
「ちょ、何するんですか!」
俺が少し慌てながら言えばアルフレッドは愉快そうに笑いながら言った
「お前がその変な敬語やめるまではやめねぇからなー」
俺は一応これでお前ら攻略者と距離を置いてるんだ。壁を取っ払われてたまるものか。
「なんでですか!」
「兄弟って敬語ではなさねぇだろ?」
さらりと言われた言葉に俺は詰まったがこういうしかない。
「兄弟じゃないんですから当たり前です!」
ああ、知ってると言いながら頭を撫で続けるアルフレッドに俺はもう我慢の限界だった。ああもう前世でも兄はいなかったし今もお兄様はいない、もうこいつか本当にお兄様に見えてくる。
だから少しでも抵抗するために俺は心の中で叫ぶ。
俺と距離置くことを考えろよこの阿呆!
と。
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