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乙女ゲームの悪役令嬢の兄に転生したんだかいつの間にか俺が攻略対象を攻略していた件について
過保護と過保護
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「坊っちゃま会いたかったです!!!」
昨日のよる俺がゼアドに従事者をこの屋敷に入れてくれと言って朝日が昇ったとき屋敷のチャイムがなって出迎えに行くと大泣きしているエニーさんに抱きつかれるという珍事件が起こった。というか俺初めてエニーさんが泣いてるところ見たかもしれない。
「落ちついて、エニーさん、パブロさんはいないの?」
こういうときは彼氏に放り投げるのが得策じゃないかとかんがえているとエニーさんは今日は僕だけですと抱きついてきたまま教えてくれた。
「おーいトバリ、そいつ本当にお前に害ないんだよな?」
玄関正面にある階段の手すりを伝って降りてくるゼアドにああと答えた。
「俺の最も信頼の置ける従事者の一人だ。」
へぇ……と聞いてきたのに興味なさげにいい俺の横に本来人間にはないはずの羽で飛んできたゼアドはエニーさんを値踏みするようにジロリと見た。
「坊っちゃま?その方は?魔物ですか?それとも魔導師《まがい物》ですか?」
エニーさんは目を細めて俺を抱きしめたままゼアドを見た。
まがい物、エニーさんがそう呼んだのは魔導師のことだ。魔導師は人なのに魔力がある。なぜならそいつは大抵魔物と人間の間に生まれた半分ずつ血を引いているからだ。純粋な人間ではないから《まがい物》と呼ばれるがそれは差別言葉に等しいと世間一般の貴族階級では言われている。
が、俺はそれを悪いこととは思わない。《まがい物》は普通に考えて魔物の血を引いているから凶暴であり人間としてより魔物としての方が本能的に上だ。だから俺はまがい物とあえて呼ぶ。そして非道徳的なことを主犯で繰り返す人間も実は魔物の血が流れていることが多い。だからこそ俺はまがい物と呼ぶ。
「いいや?俺はまがい物なんかじゃない。魔王だ」
息を吐くのと同じようにさらっと重大発言をするゼアドに俺は苦笑いするしかない。
「坊っちゃま?変なことされてませんよね?魔王?僕は確かに羽を使うところを見ましたが魔王?」
未だ信じていないのか本気で殺意を向けてくるエニーにゼアドは険しい顔して俺の肩を掴んだ。
「トバリそいつの殺気はとこらの魔物のさっきよりタチが悪い…安全じゃない」
こちらも負けじと言うようにエニーさんに殺気を飛ばしている。俺は一つため息をついてゼアドの手を払い除けた。
「当たり前だろう、エニーさんからすれば主に近寄る正体不明の男だぞ?むしろ案ずるなっていう方が無理だろう。」
お前は馬鹿か?という視線をゼアドに向ければそれはわかりやすく落ち込んだ。いはそこまで落ち込むことでもないだろう。なんか周りから見たら今すごく禍々しいぞお前の周り。
「ほ、ホントに安全なんですか?」
ゼアドの落ち込みようにエニーさんが困惑気味に俺に尋ねてくる。俺はああ、と頷いてため息をまたひとつ付いた。
「ここ2週間俺が孤独死しなかったのはこいつらのおかげだ、といえばわかってくれるか?」
エニーさんはそう聞くと肩の力を抜いて心配そうな声色でもうどうしようもないじゃないかと諦め混じりにふわりと笑ってこう言った。
「坊ちゃんは本当に…あなたという人は」
皆まで言ってくれるな俺だって思ってる。危機感がなくなってるなーとは、
言い訳がましいけどだってへラーラはポジション的に危ういけどゼアドは安全だからなぁ…なんかはじめて安心できるような気がするんだよゼアドの隣って、エニーさん達とは違う安心感というか…不思議な感じ。攻略対象じゃないからか。
まぁアルフレッドなんかよりかはだいぶマシに感じる。
とりあえず険悪な雰囲気を未だ醸し出している2人に俺は少しだけ笑って言った。
「お前ら、仲良くするなら俺の手作りのケーキでもご馳走しよう。」
2人は顔を見合わせて小さく頷いた。
うん素直でよろしい。
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