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乙女ゲームの悪役令嬢の兄に転生したんだかいつの間にか俺が攻略対象を攻略していた件について
認めてもらえれば
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俺は久々に自分の部屋に足を踏み入れた。
どうやらマーリンも義弟も外に出ているようで今家には使用人しかいなかった。
俺は自室に向かい持ってきていたものを机に置いた。
「ゼアド、」
俺が声をかけるとゼアドは部屋の入り口近くの壁にもたれていたのをやめて俺の横にやってきた。
「どうしたトバリ。」
俺は少しだけゼアドに内心を見せるようにこう聞いた。
「もし絶対予言の書があって、その中に自分を裏切るかもしれない人がのってて極身近な人でそれでも俺がそいつのことを好きな場合。」
もちろんこれは義弟のことで。
「そいつの横にいるっていうのはありだと思う?」
どうかダメだと言ってくれないだろうか、そしたら諦めれるような気がするから。可愛い可愛い、「俺たちを苦しめるであろう」大切な義弟を可愛がることを。
「俺にはその例えがよくわからない…」
そう言ってゼアドは俺の頭を撫でてくれた。
「でも、それがとっても大切なら、俺はそいつが裏切る寸前まで隣にいる。」
ダメだとは決して言ってくれない。
むしろいいじゃないかと言ってくれる。
「もし俺がそばにいて心が折れそうになった時、ゼアドは支えてくれる?」
俺が言えばゼアドはくすっとわらってから言った。
「俺が魔王の仕事で実家帰りをしていなければ助けてやる。」
さすが…
「魔王様」
俺がくすくすと笑えばゼアドは当たり前だろうと言ってくれた。ああいい友人を持てた。本当に。
「じゃあ今日はめいいっぱい義弟を甘やかすことにするよ」
俺はきっといい笑顔なんだろうなと思う。
「俺はお前のためならいくらでも力を出すぞ」
本当に頼もしい。だから俺はくすっとわらってこういった。
「それはありがとう、でも俺と一緒にいたいなら、まずマーリンに納得してもらわないと」
きょとんとした顔になったゼアドに俺はくすくすと笑うほかなかった。
「お兄様ぁああああ!おかえりなさいませ!」
ほら、淑女らしからぬ大声で俺の元にやってくる可愛い妹マーリン。
どうか俺の妹がゼアドを気に入ればと思った。
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