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「…お前、またかよ!」
古橋さんは苦笑しながら、俺の頭を軽くど突いた。
「このエロガキ」
「だってぇ…このベッドが…。古橋さん、このベッドに怪しい香水撒いたりしたでしょ?」
「してねーよッ!」
古橋さんは毎度毎度、俺がこれからオナるぞってタイミングで帰ってくるのです。
そして、俺のもっこりした股間やチャックの開いたズボンを見て苦笑い。お約束なんだな、これ。
「お帰りなさい、泰三さん」
キュッと抱きついて、お帰りの挨拶。
今日こそ言うぞ、と決めていた下の名前。
すらっと言えた。まるで新妻ッ!
泰三さんの股間がもこっと盛り上がった。
ふふ。泰三さんだってエッチなくせに。
「…悠真、今週末まで名前で呼ぶな」
冷たい一言。
ムッとして見上げたら、泰三さんが頬を真っ赤に染めていた。
「ほえ…?もしかして、照れた?」
「バカ」
顔をムギュっと胸に押し当てられた。
心臓の音、早いね。
俺もかなり早いけど。
ドキドキする。でも不思議と落ち着いて、体温を感じ合うのが気持ちいい。
エッチをする気持ちよさとはまた違う、精神的に満たされる感じ。
「…今週末、なにかあるの?」
甘えた感じで訊いてみた。
でも答えは聞かなくてもわかる。
デートの約束…だよね?
こうやってお家デートを楽しみつつも、週末は仕事が立て込んでたりして、ゆっくりと楽しめなかった。
その仕事が昨日で片付いたみたいで。
「…とにかく、空けといて。週末」
ギュッと背骨が痛くなるほど抱き締められる。
そして、優しくこめかみにキスを落とされた。
キスされた場所からズキンと広がる、泣きたくなるほど気持ちのいい疼き。
この生殺し状態。
俺の股間がビンビンなの、もうわかってるんでしょ?
予感がある。
お預け期間はもう終わり。
ハートとハートで完璧に繋がった今、改めて身体も繋げたい。
俺にとって今週末が、本物の初体験。
「楽しみだね、デート」
心をこめて伝えた。
泰三さんは、それには答えない。でも、優しく俺の髪を撫で、またこめかみにキスをした。
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