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「俺ら、まだ付き合って半月なのにな。気が早いな。悪い」
泰三さんってば。謝らなくていいのに。
顔、真っ赤だよ?
車はドライバーの顔色とは裏腹に、安定した速度を守って走っている。
「…今夜、ホテル取ったから」
ビクンッ!
また俺の心臓が大きく跳ねた。
泰三さんの声が硬い。その一言を言うのに、めっちゃ緊張していたのがわかる。
「…駄目か?」
横目で俺を窺う。
朝から結婚だのホテルだのと…俺も泰三さんの緊張が移ったのか、ドキマギして俯いちゃうよ。
俺、そんなキャラじゃないのに。
「…駄目じゃないです。嬉しいです」
さっきのテンションが嘘のように、俺の声は震えて小さい。
顔も泰三さんに負けないくらい真っ赤。湯気出ちゃう。
あ、チンコも熱い。もう期待してんのか。気の早い息子だ。
「手、繋いでもいい?」
泰三さんの空いている左手に手を伸ばす。
手を繋ぐだけなのに、すごい緊張。
前に父さんが言った通り、中学生の恋愛みたい。ハッテン場で知り合ってヤりあった仲なのに。
泰三さんの手も、緊張で汗ばんでいた。
二人でギュッと手を握り合いながら、ドキドキしていた。
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