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side一期一振
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足先から這い上がって来るような
背中から包み込まれるような
幾重にも折り重なって攻め立ててくる快感
それに抗うことなど出来るのだろうか
それを与える相手が私は好きだった
相手が自分をどう思っていようと
それは私にとって二の次だった
『日々、恋宿り』
私が本丸に迎え入れられた時に、既に彼はそこに居た。
「いち兄、会いたかった」
「私もみんなに会いたかったですよ、元気そうで何よりです」
陽溜まりの桜が舞い散る庭先。
久々に再会した弟達からは、その庭のような暖かい歓迎を受けた、その奥に彼は居た。
凛とした佇まいで、品があって、思わず見惚れてしまっていた。
真白い装いと、色素の薄い見目もあって、日の光の中に立っている彼は今にも消えてしまいそうに見えた。
「あ、鶴丸さん!いち兄がきてくれました~!」
明るく笑う弟達が私を引っ張って、彼の目の前へ連れて行く。
「やぁ、一期一振。俺は鶴丸国永だ。・・・久しぶり、になるのか?」
「鶴丸殿でしたか。先にいらしていたのですね」
「偶然拾われてな。この本丸の居心地はなかなか良いぞ。気に入っているんだ」
「そうですか、それは何より。今後とも宜しくお願い致します」
一礼をしてみせると、彼は無邪気な笑みを見せた。
「堅いのは無しでいこう。一期、今日から宜しくな」
見目の儚さとは裏腹に、力強さすら感じるよく通る声と、しっかりとした意志をもった瞳。
そして雑把な言葉遣いと飄々とした身の振る舞い、竹を割ったような性格。
それが、鶴丸国永という男の魅力だった。
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