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side一期一振
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会えなければ、会いたくて。
会えば、話したくて。
話せば、触れたくて。
触れて、繋がって。
気持ちを分け合って。
こんなに満たされているのに、いつもどこか満たされない。
「私、どんどん欲張りになってしまいそうです」
鶴丸殿の腕に抱かれ、ぽつりと呟くと、鶴丸殿は笑った。
「そりゃあいい。欲があるのはいいことだ、飽きが来ないのが一番だからな」
「じゃあ、もう少しだけ我侭になっても宜しいですかな?」
腕の中から、わずかに背筋を伸ばし、鶴丸殿の唇に口を寄せる。
多分私から仕掛けた初めての口付けだった。
それを意識すると、一気に顔が熱くなった。
「いいよ、一期の我侭なら出来る限り聞いてやる」
美しい顔が微笑み、色素の薄い睫毛が伏せられ、口付けを返される。
目を開けた時に、彼の輝く瞳には自分の姿。
最初の望みはこれだけだったはずなのに。
いつの間にか、彼の熱っぽい声も、欲を孕んだ瞳も、全部自分のものにしたくなっていた。
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