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side鶴丸国永
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もう日が昇り始めている時間に、俺達はまだ一緒に居た。
自分の腕の中に、一期が居て柔らかな笑みを浮かべている。
それだけで充足した気持ちになって、つい笑みを返してしまう。
「そういえば、一期。次郎には何て言われたんだ?」
「え?」
「ほら、俺達のこと明るみに出てるって言ってただろう?」
「あ・・・えっと。その、次郎殿に謝罪に行った際に、お酒を飲まされそうになりまして、この後、まだ鶴丸殿の所にも行かなくてはならないとお伝え致しましたら・・・」
一期はいい辛そうに、事の顛末を説明する。
「『じゃあ、湯浴みする必要もあるだろうし、引き止める訳にはいかないね、次の宴会には必ず二人で来なさいよ!』と、仰られておりまして・・・」
「あー、それは・・・間違いなく、次郎は気付いてるな」
「はい・・・。で、言葉の通り湯浴みを済ませて参った次第です・・・」
ん?
湯浴みを済ませて?
「じゃあ、君は最初からその気だった訳だ?」
からかうように言って見ると、一期の顔が見る見るうちに赤くなっていく。
「一応ですよ!念のためです・・・何があるか判らないではないですか?・・・実際、あったわけですし・・・」
「まぁ、そうだな」
「・・・もう」
むすっと頬を膨らませるのが、照れ隠しだと思うと随分可愛らしい仕草に見えた。
「じゃあ次は一緒に宴会行くか」
「え・・・?」
「宴会の席で君がどう俺を驚かせてくれるのか楽しみだ」
普段の一期は、弟達の寝かしつけ等を理由に宴会には殆ど顔を出さない。
顔を出しても酒を飲んでいる様子など見たことが無かった。
「はぁ、構いませんが。私お酒は・・・」
「苦手か?弱いのか?」
「いえ、逆で。全く酔わないので、もしバレてしまったら次郎殿に朝まで帰して貰えない気が致しまして、秘密にしております」
少し困ったように笑いながら言う一期。
「・・・宴会に出向く前から驚かせてくるとは、流石だな」
俺の言葉を聞くと「そうでしょう?」と微笑んだ。
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