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王子その1
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「優、次移動教室だべ。先行くぞ。」
「あ、うん。」
いまだに馴れない返事のことを考えてたらもう1時限目が終わってた。
葵が先のほうに歩いているのを見ながらまた、ぼーーと歩いていたら3年生の不良の先輩とぶつかってしまった。
「痛っつー」
「おい、どこ見て歩いてんだよ(怒)」
うっ怖い。おもいっきし睨まれてるから顔があげらんない。
「おい、なんとか言えや!!!」
「止めろよ。」
突然、違う声が上からした。見上げるとそこには1人の男子生徒が立っていた。
「あん?」
「女の子いじめるとか趣味悪くない?センパイ」
「なんだと、てめぇ。」
そう言った不良は拳を握り絞めてその人に殴ろうとした。
バシッ!その男子生徒が拳を片手で受け止めた。
「止めろよ。」
彼はもう一度静かに睨みながら言った。
「チッ」
不良が舌打ちして逃げたのを確かめてから、その男子生徒は振り向いた。
彼の顔を見て僕はまた驚いた。鋭い目、薄く綺麗な唇、左目下のほくろ。そのイケメンは学校で1位2位を争うイケメンの深瀬龍くんだ。
「大丈夫か?」
そういって僕に手を伸ばしてくれた。
「あ、うん。その、ありがとう」
僕は手を掴み立ち上がる。
「これからは気をつけろよ。じゃあな。」
「う、うん。」
かっこよかったな~。顔はもちろん、さっきの行為がものすごくかっこよかった。
彼が去っていったほうを見ながら僕は彼のことを考えてた。
キーーンコーーンカーーンコーーン
「あ、授業遅れる。」
教室にむかって走りながら、頭の片すみには彼の顔、声が離れなかった。
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