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約束 黒月⑴
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「なんですか、話って。僕片付けとかしなきゃいけないんで早く終わらせてくれます?」
あぁ、イライラする
なんなんだこの人
さっきからずっと黙って
「…話す気ないなら僕もう帰りますよ?失礼しまっ…ちょっと!なにするんですか!先輩だからってこういうの許されないデショ!」
黒尾さんは帰ろうとする僕の手を掴んで引き寄せて抱きしめた
「うん、悪い」
イライラする
体格的に勝てなくて抵抗できないのも
いつもの黒尾さんじゃないのも
「離してください」
「好きなんだ」
「は…?」
「だから、月島、お前が好きなんだ。付き合って、ください…」
聞き間違いかと思った
まさかそんな話だとは思わなかった
少しだけ考えて声を出す
「…遠距離でも耐えられるんですか?」
「え…?」
「だから!もし僕がオッケーして、遠距離でも耐えられるのかって聞いてるんです!」
「…そのつもり」
「ありえない」
遠距離ったって町と町じゃない
3時間もかかる
高校生にはきつい
「僕は耐えられません。好きな人と会えないなんて。次いつ会えるんですか?試合場ですか?コートの中ですか?ありえないデショ。僕は嫌です」
「そっか…ごめん…」
イライラする
いつもこんなんじゃないくせに
もっと余裕ぶってるくせに
調子が狂う
だからつい変なことを口走ってしまったんだ
きっとそう
「…高校卒業まで待っててくれるなら話は別ですケド」
「つ、月島…?嫌じゃない?」
「気がない人にはこんなこと言いませんよ。バカですかあなた。それともたった2年待てないんですか」
「ごめん、待つ。月島が卒業するまで待つ」
「あぁもう!なんなんですか!調子狂うからやめてください…」
いつもの黒尾さんがいい
こんな弱気じゃない
いつもの黒尾さんはもっと、もっとかっこいい
「いつもの黒尾さんはどこ行ったんですか…僕こんな黒尾さんなら嫌ですよ」
「…待ってろ。迎えにいく」
「はい…」
fin.
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