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ヒスイノヒトミ リエ夜⑴
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部活が終わってリエーフのレシーブ練に付き合っていたらいつの間にか最後になっていた
他の部員はもうとっくに帰ってる
ダラダラと着替えるリエーフにイライラしながら自分はさっさと着替える
「おい、リエーフ、さっさと片付けて帰れよ。もう俺とお前しか残ってないんだから」
「夜久さん…」
「どうした…んっ…?!」
急にしゅんとするもんだから心配になって振り返ると突然キスされた
後ろにロッカー
目の前には完全に獣の目をした後輩
…でもあり恋人
だとしても、正直この体格差だ
怖くないわけない
「リエーフ…!なにすんだ!」
目にはうっすら涙が浮かぶ
視界がぼやける
「夜久さん?!え、泣いて、んですか…!!」
「お前のせいだ!バカ!」
目が合うと思いっきりぎゅっと抱きしめられた
…痛い
「だって!夜久さんかわいくて…」
「お前な、目がマジなんだよ!背は無駄に高いしやたら力は強えし、怖えよ…バカ…」
ぐりぐりと肩口に頭を押し付けて、覆い被さるように抱きしめられた背中に手を回す
それに応えるようにまた腕に力が込められる
「…スイマセン」
「…お前とそういうことするのが嫌なわけじゃない…」
「夜久さん…顔、見たい、です…」
一瞬、抱きしめる手が緩んだ
その代わり、声が震えていた
「夜久さん…」
「お前、急にキスしたりするから、正直怖い…」
「お願い、夜久さん、顔上げて」
「…笑わないって約束できるか?」
「うん、できる。します。絶対笑わない」
たまに、こうやって敬語じゃなくなる
そういうとき、だいたいいつもおんなじ顔をしてる
恐る恐る顔を上げると、切羽詰まってて、かっこよくて、かわいくて、甘やかしたくなるような、そんな緑色の目と目が合った
「…かわいい」
細くてすらっとした指が、そっと頬に触れる
むず痒くてふい、と目を逸らした
「…嬉しくねえ」
「ねえ夜久さん、キスしていい…?」
そう言われて優しく頬に手を当てられると自然と目が合う
きっと、当分この瞳からは逃げられない
「好きにしろ」
fin.
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