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プロローグ~とある休日とその背景~
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「───ねぇ、今日一緒にトイレ行ったのって。だぁれ?」
口角は上がっているが、目が笑っていない。
「ねえ、なんで黙ってるのかな?」
「えーっと、だれ、だっけ、なあ、」あはは、乾いた笑いが出る。
「へぇ。ごまかすんだぁ。ほんとの事言えないんだぁ。…へぇ。そうなんだぁ」
普段なら可愛いと思える間延びした舌っ足らずの喋り方も今は恐怖でしかない。
「いや、あの、ごまかすとかじゃなく」
パンッ
顔に容赦ない平手が飛んだ。痛みと連動して恐怖が倍増する。
小弥太は両手を背中で縛られた状態の俺に馬乗りになって、今しがた叩いた頬を撫でた。
「ごめんね痛かった?痛かったよねぇ?でもほら、僕が質問してるのに答えようとしないからさぁ、しょうがないよねぇ?」
妙に優しい声で言いながらも、目だけは決して笑わない。
どうしよう、ほんとに思い出せない。
というかそもそも今日誰かと示し合わせてトイレに行った記憶がない。
でも、なんか、なんか答えないと。
「こやた」
「ん?」
あ、今の可愛い。じゃなくて。
「えっと、ほんとに覚えてないんまってまってっ!」
小弥太が振り上げた手が落ちてくる前に何とか止める。
「ほんとにごまかすとかじゃなくて、俺ほら、いっつも小弥太の事ばっかり考えてるから、小弥太のことしか覚えてないんだよ。ね?
ほら、例えば俺が、今日の昼に食べた食堂のカツ丼がいつもよりちょっと甘くて喜んでたら、今度作ってみるねって言ってくれた事とかさ。嬉しかったなぁ、あれ」
小弥太の指がゆっくりと頬を撫でながら目で続きを促す。よし、いい感じ。
「それとかほら、廊下で滑りそうになったらすっと、こう、腰を支えてくれたでしょ?
あれめちゃくちゃかっこよかった、小弥太って意外と力あるもんね」
小弥太が両手で顔をぐにんぐにん撫でまわしてくる、照れ隠しかな?顔が見えずらい。
…あ、手の隙間からちらっとみえたけど目が笑ってる。かーわいいなぁやっぱり。
まぁ、とりあえず機嫌は直ったみたいだな。
「そうそう、それかぁん、む」
小弥太の唇に言葉を遮られる。
「ん、ふっ、んんっ」
唇を息継ぎの為に開いた瞬間、隙間から小弥太の舌が入り込んできた。
「っん、んぁ、ふっ、んん、」
くちゅくちゅと唾液が絡む水音と荒い息が室内に響く。
じゅるるるっ、ちゅ、
口内の唾液を吸いあげ、小弥太はようやく離れた。
「ん、はぁ…こーちゃんかーわい。顔真っ赤だよぉ?んふふ。でもそっかぁ、そんなに僕の事好きなんだぁ、ふふ、嬉しいなぁ」
とろけそうな笑顔を見て完全に機嫌が直った。と思ったのが甘かった。
小弥太は馬乗りになった体制のまま上半身をもたげて覆いかぶさり、顔を寄せて囁く。
「でーもっ、僕の知らないところで僕の知らない人と二人っきりになったのは駄目だよねぇ、かといってこーちゃんは僕の事が大好きだからぁ、痛いことはされたくないだろうしぃ、僕もしたくないしぃ。
じゃーあー、今度は痛くないおしおき、しよっかぁ?」
耳元で告げられた内容で、今度は逆の方向にやりすぎてしまったことに気付く。
「え、でも、おしお」くちゅり。
耳の中に熱く湿った舌が入ってきた。
「あう、ちょっ、とまっ、耳あっ」
くちゅり、くちゅり。と耳の中をぬるぬると嘗め回し、時折耳の軟骨をこりこりと甘噛みしてくる。
あぁ、やばいっ、これっ、力がぁっ。
身をよじり抜け出そうとするも体は足に絡みつかれ、頭は腕で抑えられているため動けない。
「んはぁ。おーあんっえほんおにみみよあいよねぇ」
ぐうっ、耳元で喋るんじゃないっ、何って言った今っ。
「んー?きおちおうなっひゃった?なんかいういういえうー。ん、・・・っふう、そだねー、結構反省してるみたいだし、そろそろ腕ほどこっか?」
小弥太は耳のふちをなぞっていた舌を引っ込め、俺の上から降りて、俺の体を転がした。
「よいしょっと、あ、ちょっと赤くなっちゃったね」
俺の背後に回った小弥太が、手首の結束バンドを切りながら呟く。
「ふふっ、何かいいね、これ。こーちゃんが僕のものだって印みたいで。・・・もっとつけたいなぁ。ねぇ、どこがいいかなぁ?」
鈴を転がすような可愛い声で、恐ろしいことを訪ねてくる。が、まともに答えられない。
「はぁ、はぁ、はん?な、にが?なんのはなし?」
「んもー、ちゃんと聞いててよねぇ。だからぁ」ぴんぽーん
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