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始まり
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始まりは入試試験当日だった。
俺こと黒川涼太は県内でも優秀な高校、華蓮(かれん)高校の試験会場に居る。
教科書と睨めっこしていた俺は休憩を込めて教科書から目を逸らした。
辺りを見渡してみる。
俺のように必死に勉強している奴。
友達と先程の数学の答えを言いあう奴。
爆睡している奴。
悟りを開いている奴などと様々だった。
その中に一際目立つ奴が居た。
金髪で顔が整っているイケメン。
周りの女子はキャーキャー騒いでいる。
今日は試験当日だっつーのに何の為に来てんだか…
ぼーっとその金髪君を見ていたら目が合ってしまった。
意味もなくガン見しちまったよ、やべ。
何か喋らないといけないのかな。
『あ、えと、勉強しなくていいの?』
俺は咄嗟に疑問を投げかけた。
俺は教科書を手に持っているが、彼は机に肘をついて外を眺めていた。
試験当日なのに勉強しないとはそれほど頭がいいのか?それともただの記念として受験してきただけ?
華蓮高校は県内でもトップを争う程の優秀な高校だ。
この学校から東大に行く奴も少なくない。
だから記念に受験しにくるという馬鹿も居ると言えば居る訳で。
「別に、勉強なんて必要ない」
そう言って彼はまた外を眺める。
呆れたような、言い飽きたような顔。
なら何でこんなとこに来たんだよ。
そこら辺の私立高校でもいいじゃん。
『…変な奴』
これが第一印象だった。
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