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アイツも人間…?
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「お前何やっちゃってんの?阿呆じゃん」
『うるせぇ!ちょっと転んだだけじゃねーか!』
「ははっ、涼ちゃん転けてるーw」
「おい、人の不幸を笑うな」
俺が好きな体育の時間である。
だがもう全然好きじゃない。
…今日限定だけど。
『ぜってぇー勝つっ!!!』
「はっ、勝てる訳ないだろ」
「黒コンビファイトー」
「頑張れよーっ!」
お互い譲らず全速力で走っていた。
200メートル走の練習をしていたんだ。
だが俺は見事に転倒(´・д・`)
挙句、アイツから散々馬鹿にされた。
「お前ドジだなー」だの、
「運動音痴かよ」だの、
「取り柄何もないじゃん」だの…
転けただけでこの仕打ちだ。
『畜生…絶対抜かすっ…いっ…!』
足首に痛みが走る。
ヤバイ…捻ったか?
じんじんと痛みが響き、汗が吹き出る。
だが目の前のコイツには捻ったと知られたくない…!
「あ?どーしたんだよ。もしかしてまた転けるかもしれないから動けないのか?」
ニヤニヤと煽るアイツ。
あぁ…その顔、腹が立つ…!!
『何もねぇし!今パワー溜めてんだよ!!』
痛みと葛藤しながら必死に立ち上がろうとする。
「涼ちゃんやめときなさいなー。諦めも肝心よー?」
「オネエ臭い」
「あら酷い!」
今思えば光の言うことを聞けばよかったと思う。
勢いよく立ち上がったと共に、俺は前のめりにぶっ倒れた。
クラスメイト達から驚きの視線と大丈夫かと声をかけられる。
『やば…立ち上がれない…』
「涼ちゃん!?」
「おい涼太!?」
こっちに走ってくる光と涙。
地面に顔面から着地してしまったので勿論顔は砂だらけ。
痛い。
腕の力で起き上がろうとしたその時。
ふわっと体が浮いた。
『…え』
「……」
周りもシーンとなる。
それもそうだ。
アイツが俺をお姫様抱っこしたのだから。
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