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①ー03
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「……………広い」
入ってみると、店内には高そうな色とりどりの服が沢山並んでいる。
アパレルショップでも、中流階級以上の人が利用しそうな雰囲気だな。
適当な服を見ながら店内をウロウロしていると、女性の黄色い声が聞こえ視線を移した。
「店長、お早う御座います!」
店長、そう呼ばれた赤毛の男は人当たりの良い笑顔を浮かべて裏から現れた。
そして次々と店員達が彼に挨拶し、持ち場に戻っていく。
随分若い店長なんだな……と言っても20代後半位だろうけど。
「お早う。朝礼に間に合わなくて悪いね、渋滞にかかっちゃってさ」
……嘘つき。
渋滞どころか信号もそんなに掛からなかったじゃないか。
だけど店員はこの男の言葉を疑う事は無く、楽しそうに笑っている。
「それは大変でしたね。大丈夫ですよ、遅刻と言っても5分程度ですし。それに店長がいらっしゃるだけでも客寄せになりますから」
そんなんで良いのかこの店。
もっと厳しくしないとコイツ調子に乗りそうだぞ。
イケメンなら贔屓されるのか。
今日の仕事の話をする彼らに近づき、一応確認する為に店長の正面にあるマネキンの後ろに隠れて顔をこれでもかって位ジッと見つめてみた。
こっちに視線を向けないって事は、俺の事は見えてないな…よし。
それにひとまず安心して、店長と呼ばれるチャラ男の仕事ぶりを観察してみようと彼の後ろを付いて回る事にした。
「いらっしゃいませ。今日はどういったお召し物をご所望でしょうか」
絶妙なタイミングで仕掛ける接客術。
紳士のような身のこなし。
物腰柔らかな低音。
どの年代の客も、コイツの前では顔を赤らめ…うっとりと恍惚したような熱い視線を向けている。
………なんか、スゴいな。
「やだ…あの人超カッコいい…」
「あ、あの!今度もし宜しければお食事でも…」
「彼女いらっしゃるんですか?」
「良ければ此方に電話して下さい…」
入れ替わり立ち代わり、別の女性が店長に猛アピールをしていて…俺は開いた口が塞がらない。
……コイツの何がそんなに良いんだ。
まぁ確かに男の俺から見ても、イケメンの部類だとは思う。
ハーフなのか、外人なのかよく分からないけど…こんなにモテるなら、きっと女性関係も派手そうだな。
朝の彼女らしき人はヤリチン野郎って言ってたし…きっと皆、コイツの笑顔に騙されてるんだ。
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