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出会い
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今日は部活がはやめに終わったっていうのに。
「あ!椆樹くんだよ!」
「きゃー!」
「……」
全く。
なんなんだ?今日は。
歩くたびに女子に会い、前からも後ろからも女子の視線。
何か悪いことでもしたか?って位。
いや、そんなことはないのはわかっている。
こんなに女子がまわりにいるのはきっと俺は女子にモテモテな男子…という存在なせいだろうと思う。
ただ、なぜモテているのかわからないしうれしくもない。
―だって、俺は男にしか興味が無いから
なんなんだよ、本当に。鬱陶しいからあっちいけよ
ホントはこんなこといいたくないけど。
こうきつく言えば寄ってこなくなるかな…ときつくあたってみてもきゃー!にらまれちゃっただの怒ったー!だの言って女子は騒ぎだす。
いつもだ。
逆効果。
あぁ、頭痛くなってきた。
そうだ保健室だ。保健室にいこう。
あそこならさすがにうるさい奴は入って来ないだろう
そうおもい俺は保健室に向かった。
「先生ー。いませんか?」
保健室の扉をあけてまわりを見回してみたがだれもいなかった。
「…まぁいいや。勝手にベッド使ってますよ?」
そして、ベッドの方にゆっくり進みカーテンを勢いよく開けた。
…すると
「……っ!」
先にベッドに入ってる人が…いた。
びっくりして心臓が止まったかとおもった。
「な…なんだ。人いるじゃないか。びっくりしたな」
人が寝てるとも知らず、気を使わなかったが…どうやらおこさずにすんだようだった。
…とおもったらそうでもなかった。
「…んん…あれ?せんせぇ?」
「!」
相手がゆっくり体を起こした。
「……ん?」
「……!」
「……」
「……」
しばらくの間沈黙が続く。
しばらくそのまま見詰め合っていると、とつぜん相手が顔を赤くして布団をかぶった。
いったいなんだ?いきなり。
「え?何?何?」
「せ…せんせぇじゃなかった。まちがえちゃった…はずかしい」
え?ひとり言か?
これはどう反応すればいいんだ
「なんか……悪かったな?」
とりあえず、一言謝ると俺は隣のベッドに移動した。
布団をかぶってからもしばらくひとり言のような声が聞こえたが気にしないことにした。
変なやつだ。
でも……
金髪に青目で綺麗だったな、
あんなやつ学校にいたんだ。
■■■
次の日の朝
「…いってきます」
俺ははぁーとため息をついて学校へ行く。
あぁ、学校行きたくないなとトボトボ歩いて行く。
「おーい!先輩!」
「わぁっ」
そう憂鬱な気分で歩いていると、後ろから大きなものが勢いよくぶつかってきた。
危うく転びかける。
「いててっ。なんだよ、あぶないな」
「ゴメン!いや、歩いてたらやけに元気ない先輩がいたからさー」
内藤仁。
俺の部活の後輩。
あいかわらず、元気な後輩だ。
「先輩最近元気ないじゃないですかー。みんな心配してましたよ?」
「あぁ…すまないな。」
「なんかあったら相談のりますよー?」
「本当か?…実はな」
『最近女どもがキャーキャー言って寄ってきてうるさいんだよなー。はっきり言って疲れてる』
そう俺がつぶやくと、仁はいきなり面白そうに笑い出した。
「あははは!!何ですかそれー!!まぢうける」
「こらっ!笑うな!」
仁は今にも腹痛で倒れそうないきおいで笑う。
「先輩、サッカー部キャプテンですしねー。しかも顔もかっこよく性格もよし、この前の大会だって大活躍して優勝したんですよ?そりゃモテますって」
「性格?いいか?」
俺的にはめんどうくさいから適当にあしらってたんだけどな。
それが逆によかったのか…?
「でも、確かに女って面倒くさいですよねー。だから俺も苦手です」
「…だよなー。…ってあれ?お前この前恋人出来たとかなんとかいってなかったか?」
「え?そうですけど…俺、女なんていってませんよ?」
「…!?」
こいつ今さらっとすごいこと言いやがったぞ
「……そうか。幸せにな」
「はい!」
でも、いいな。
俺も恋したいなー…
そんなことを考えてしあわせな気分になっていたが、下駄箱を空けた瞬間に降ってきた大量のラブレターのせいでそんな気分はいっきにふっとんだのだった。
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