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岩泉side
横から感じる及川の熱い視線に耐えながら歩くこと10分。
さすがに気にせざるを得なくなり、熱心に視線を送ってくる及川に顔を向けた。
「なあ…さすがにずっと見られてると落ち着かねえんだけど…」
「あ、ごめん……けど、岩ちゃんがかっこよすぎるのが悪いんだからね!」
「俺のせいかよ」
ぐだぐだと間抜けな会話を交わしながら歩く。
大通りのほうに出ると、やっぱり人が多かった。はぐれ……はしないか。
もしはぐれても180㎝ある大男は目立つから大丈夫だ。すぐ見つけられる自信がある。
「ねぇ岩ちゃん、手つないでよ。はぐれそう…」
「ああ?大丈夫だろうが」
「そうかなぁ…」
「もしはぐれてもすぐ見つけてやるから」
「………ッ///けっけど、やっぱり不安なの…!」
「………」
本当に仕方のないやつだ。
手を繋ぎたいなら素直に繋ぎたいって言えばいいのに。
けど、こんな仕方ないやつのことを愛しく思う俺も相当なんだろうな、なんて自嘲気味になる。
ちらちらとこちらの様子を伺う及川と手を繋ぐ。というより掴む。
「……!」
それでもそいつはすごく嬉しそうで。
緩み切った顔を見ているとこっちまで気が抜けてしまいそうで、慌てて平然を装う。
すると、及川が自分の指を俺の指と絡ませ、所謂恋人つなぎというのをしてきた。
「…顔ゆるっゆるだぞ」
「えへへぇ」
俺の手をぎゅーっと握って、嬉しそうに笑うそいつを見てるだけで、満たされたような気持ちになった。
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