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黒尾side
携帯を握りしめ、ギリギリで終電に乗ってツッキーの家へ向かう。
あの声、絶対ただごとじゃないよな。具合でも悪いのか、それかもっと別の事情があるのか。何にせよ心配だ。
いつもより電車が走るスピードが遅い気がした。
「……着いた」
ツッキーの家には何度か行ったことがあるから、ちゃんと道も覚えていた。
相変わらずちょっと古いそのアパートの外観は全く変わっていない。
それはさておき、とにかくツッキーが心配で、ツッキーの部屋になるべく足音を目立たせないように走った。
階段を上ったすぐそこにあるその部屋のインターホンを鳴らした。
「…はい」と控えめに返事が返ってくる。
黒尾だけど、と伝えると、ちょっと待っててください、という声とともにドアの奥からぱたぱたと足音が聴こえた。
ドアががちゃりと開く。
「……黒尾さん…」
「…………おっ…おぉ…」
そこにいたのは、子どもだった。
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