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ぬくもりといたみ[影菅?]
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俺は昔から冷え性で、霜焼けを
起こしやすかった。
そのおかげで冬のロードワークは
俺にとっては地獄でしかない。
ただでさえ冷たい手がさらに冷たくなり、体育館に戻る頃には当然のようにできている霜焼けの所為で手がそれはそれは酷く痛む。それでも、バレーをしてると忘れるんだけど。
「…痛っ」
また今年も、立派な霜焼けが手にできていた。いてえ。
しかも今年はいつもより激しく、両手の指先の所々にポツポツと霜焼けと丸分かりの紅い点ができている。そしてそれは厄介なことに、俺がシャーペンを持つ所にも容赦無く広がっていた。
「スガ、本当にそれ大丈夫か?
尋常じゃねえ腫れ具合だぞ」
クラスメイトに心配されたけど、
あー大丈夫、慣れてっから、と
適当に返事をする。
しかし本当に痛い。指全体が腫れすぎて指曲がんねーし。
部活保つかなー、なんて、このときの俺はのんきにそんなことを考えていた。
無事に一日の授業を受け終え、
鞄を持って教室を出る。
部室に行く途中に、大地に会った。
「おー、大地ー」
「おう、スガ」
「今日は外周どんくらい?」
「10周。きっついよなー」
うわぁ、と内心で溜息をつく。
しかも今日は、吹雪が吹き荒れている。今は小降りだけど…
部室に着くと、いつもの煩い…
訂正、元気のいいメンバーが揃っていた。全員に挨拶を返し、いつも通り烏野の黒いジャージを羽織る。すると、部室のドアが開き、影山が現れた。
「こんにちはー」
影山は簡単に挨拶をすると、俺の隣にやってきて着替え始めた。
「おう影山。今日遅かったなー」
「今日日直だったんす…って
どうしたんすかその手⁈」
影山が俺の手にもう目を留める。
「ん?霜焼け」
「いや、霜焼けですけど、すごく
ないっすかそれ」
「毎年の事だから気にしなくていいべ!大丈夫ー」
そうやって笑ってみせたけれど、影山は不安な顔のままだった。
そんなに心配しなくても、これくらい別に平気なのになー。
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