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魔王の使い
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いったいなんなんだかわからない。
最初見たときからなんだか友達になりたいと思ったんだ。
なんだか自分と似ているような気がして。
そう思ったのに、俺のいつもの癖で素直になれなかった…。なのに俺と一緒にいてくれたあいつ…。天使か何かと思った。
そして一緒にいるうちにわかったカフェめぐりなんて女みたいな趣味。のくせに馬鹿にされるどころか人気者のあいつ。羨ましくもあった。
一緒にいるのが楽しすぎて、最近下僕と呼んでるのをいいことに連れまわしてしまっている。他のやつと話しているのを見るのもなんだかモヤモヤして嫉妬してしまうくらいにはまってしまている。
下僕っていう割に何もしてないじゃないかと前あいつにいわれたが…
下僕?そんなのとんでもない。
そんな下僕扱いだなんて酷いことをすれば、きっと嫌われるに違いない。
でも、あいつは下僕なんて言ってる俺と普通に接している。嫌気も無いようだ。
あれは実は冗談で…と言い出そうにも言い出せなかった。
かといってパシってみたり、偉そうなことを言ってこきつかったりなんて酷い扱いをする気にもなれず。
そして、下僕という呼び名をやめたら離れて行ってしまいそうで怖いのもあった。
きっとあいつは最初下僕にしてやるといったから仕方なく一緒にいるに違いない。
中二なんてきどっているがあんなの実際の俺じゃない。
もちろん演技だ。
実際の俺は…
きっとそんなの知られたらいくらあいつだって引くに違いない。
俺の本当の姿を見て馬鹿にしなかった奴なんて見たことがない。
俺は、強くてたくましくて恐ろしい悪魔なんだ。
ずっとそうでなくてはならない。
正直、演じているのは疲れるが仕方がないことだ…
まぁ当然こんなことしてるから今まで友達なんてできたためしはないが…望まないで一人でいるより、自分から一人になったほうが楽なこともあったもんだ。
今は一人ではないけど。
だから純粋に、そばにいてくれるあいつがとても大切な存在なんだ…
多分絶対伝わってないけどな。
…何考えてるんだ俺は。乙女か
「おーい、ゴルゴンくん?どうしたの。もう帰る時間だよ」
「…!!!!なんだ、下僕。わざわざ待ってたのか」
「うん、待ってたよ。今日も一緒にかえるんでしょう?」
「…ふん…そうだな。仕方ないから帰ってやろう」
「ホントは一緒に帰りたかったくせに!素直じゃないよね」
「…黙れ!」
あぁ、素直じゃない。
なんだかこいつの笑顔を見ていると素直になったら負けな気がしてしまうんだ。
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