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きみ
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次の日、ゴルゴン君は学校をやすんでしまった。
まぁあんだけ水を被ったら仕方がない…
絶対あれそうだよね?
「よう!岬!」
「あっ!山田!」
そういえばクラスメイトとしばらくお話していなかった気がするなぁ…。
話す機会はいくらでもあったのに。
「今日はあいつ休みなんだなぁ」
「そうだね…心配だなぁ」
「え?なんか面倒な奴がいなくなったってせいせいしてるんじゃねぇの?」
「え?」
心配だなんていったらクラスメイトに驚かれてしまった。逆にこっちがびっくり。あんないいやつなのに!
「いや、あいつ見てるぶんには面白いんだけどさー。毎日いるの正直つかれねえ?」
「…全然!ゴルゴンくん、面白いしっ!」
「…お前ってホントいいやつだなぁ。あんなんに構ってないで皆にも構ってやれよ!寂しがってたぞ?」
「えへへっ」
そうだよな…いまはゴルゴンくんと毎日いるけど、前までは違ったもんな…他の友達と…
いや…でも良く考えたら…
僕って、友達っていたっけ?
「じゃあな!岬!」
「うん!」
一人でいたって誰か来てくれるし、僕の隣には常に誰かはいた。
でも、誰かってだけできまった人ではなかった。
誰とでも仲良くなれる。誰にでも好かれる。
それ故に、ホントの友達なんてのは居なかったように思える。
誰かと一緒に帰ったこと?
無いな。
みんな先に帰るし。
きっと帰ろう!って誘ったらついて来てくれる子はいっぱいいるけど。
ペアやグループでやる授業?
友達居なさそうな、余ってる子だったり、グループの人数の関係であぶれた子だったり。
あとは適当に入れてもらったり。
遊びに誘ってもらったこともあるけど、人数あわせとかそんなん。
というか、僕から誘わないんだから誘ってくれる子もいるわけがないよね。
休日は、カフェで一人で過ごすのが好きだし。
「寂しそうだな!一緒に帰ってやるよ!」
「一緒に飯くってやるよ!」
そんなん初めていわれた。
下僕なんて言われてたのに悪い気がしなかったのはそのせいかな?
こんな気持ちは初めてだよ。
「よし、先生からプリントも預かったし…家…行ってこようかな?」
何気にゴルゴン君は僕のはじめての友達だったみたいだ。
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