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彼女持ちのせんぱいに恋してるのに兄と幼なじみに猛アタックされてます。
逃亡⑲
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「まあいいから立てよ。」
先輩はそっと手を差し伸べてくれる。
気まずい筈なのに優しくしてくれる先輩のせいで、
また胸がドキドキと脈打ってきた。
恐る恐る手を乗せると、びくっと先輩の手が震えた。
──……あ、俺、気持ち悪い。
下心があったのがバレてしまったのか、
それを気持ち悪いと思われてしまったのか、
そんなことを想像して手を引っ込めようとすると、
ぎゅ、と包み込むように握られる。
「話があるんだ……。」
「え……?」
じっと瞳を見つめられて、きゅぅぅっと胸が締め付けられる。
顔中熱くて、先輩にはきっと真っ赤な顔してる俺が見えていることだろう。
それが物凄く恥ずかしい。
立ち上がって、手を引かれるまま図書室の中に入っていく。
「それ置いてこいよ。」
パッと手を離されて、逃げるようにカウンターへ向かうと、
ガチャン……
──と、部屋中に閉錠の音が響いた。
しんとした図書室に響いたそれが、凄く不気味で、凄く胸を高鳴らせる。
……いや、あり得ない。
と、気にしないフリをしてカウンターに入って、奥の広い机の上に紙袋を置いた。
ポットを持ち上げて、お湯が入っているか確認していると、
後ろからキィ……と言う音が聞こえて、先輩が入ってくるのが分かった。
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