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その子供が次に目を覚ましたのは翌日の朝だった。
上にかけられた布団に驚きながらも丁寧にたたみ隅に置き襖の向こうにうっすら明かりが見えるのに気づく
子供はゆっくり襖を開き上を向くと赤く光る眼とかち合った
「あ、」
「ひっ!!!」
子供は襖を勢いよく閉じ部屋の隅に置いていた布団を全身に被り丸くなり目を瞑る
すると襖がゆっくり開き此方に近づいてくる足音が聞こえる
「っ…!!!」
「すまんすまん。驚かせてしまったかな?
悪いことをした」
強張る子供にスーツを着た赤い目の男は布団の上から優しく撫でた
「ふふ、…あぁいや、怖がっているものをみて笑うのは不謹慎だったな
すまんな。俺は子供を触るのが初めてでつい嬉しくなってしまった」
布団の上から密かに感じる暖かさに子供は布団から少し顔を出し男の顔を見る
その男は赤い目で愛おしそうに此方を見ていた。
「おお、顔を見せてくれるのか。ありがとう
うん、黒い髪の中にある綺麗で儚い金色の瞳だな。まるで春月みたいだ」
「、、、しゅんげつ…?」
「春の夜しか見れない霞んで光が薄い月のことだ
おぼろ月…ともいうな」
子供の長い前髪から見える金色の目は薄暗く、悲しい目をしていた
「不快に思ったならすまん。だがな、俺はこの月が1番好きなんだ。」
「、、、」
「なあに口説いてるの貴方!」
(バシッ
「いてっ!」
男…おじさんの頭をいつの間にかいたおばさんが思い切り叩く
「痛いな〜何すんだよ」
「貴方が何してるのよ!もう!驚かせちゃダメだからあまり私たちから近づくのはやめましょうって
昨日決めたばっかりなのに!」
「いやだってなー、この子が襖から顔を出してくれたのが嬉しくてな。はっは」
「はっはじゃないわよバカ」
その間2人は気づかなかった。2人のやり取りを見ていた子供の金色の瞳に小さな光が入ったことに
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