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スマホを取りだし、電話をかける。
『…京佑?なんだ?』
「智樹!!おまえか!!」
『…は?』
電話に出た瞬間の俺の剣幕に相手も驚きを隠せない。
「あいつ…伊吹がきた」
『…は?まじで?』
「あいつに俺のこと、教えたのか?」
『んなことするかよ。6年だぞ?その間、あいつがおまえと連絡取りたがって何度も俺に言ってきたが一度だって教えたことねーだろ。今さら、教えるかって』
「あ…そーだよな…。悪い…。あいつがいきなり現れて動揺した…」
そうだ…智樹が俺を裏切るはずない。
俺が唯一、信頼している友人なのだから。
『どうやっておまえのとこにたどり着いたんだか…。あいつ、けっこう今の仕事、軌道に乗ってるみたいだし、色々ツテがあったんかなぁ。今のお前を知ってる奴は俺くらいだしなぁ』
友人を疑うなどありえない…。
俺は肩を落とし、少し冷静に頭を冷やす。
「そっか…仕事は真面目にやってんのか…。結婚のことも知っててビックリした」
『あー、そうゆうとこから足がつくのかもわかんねぇな』
「また来るとか言われた。もう会いたくないっつーの」
『んー…まぁあいつも昔とは変わったと思うけどな』
伊吹を擁護する言葉。
けどあいつが変わったからと言って俺には関係のない話だ。
「いきなりごめん。きっと大丈夫だと思う」
『あぁ、また飲みに行こうぜ』
「うん。じゃあ…」
通話を切ると空を見上げた。
変わった…か。
あの頃に俺だけを見ていてくれたなら何か俺たちの関係も変わっていたのかもしれないけど。
今さら、だな。
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