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やっぱ京佑はすげえな。
ぼーっとしてそうでやるときはやる男だ。
それでこそ俺が惚れ込んだ男だ。
「いーぶき♪」
大学構内を歩いてると腕に絡んでくるやつ。
俺に京佑と別れろと何度も言ってくる。
俺のことが好きらしい。
「なんだよ。俺は忙しーの」
「ねぇ、いつ別れるの?もう卒業だし、もうそろそろ僕のとこに来てもいいんじゃない?」
自意識過剰なやつ。
「別れねーよ。たとえ、別れてもおまえとはない」
そういい放つとその場をそそくさと離れた。
あんなやつにかまってる暇はない。
あと数日で卒業だ。
最近は京佑に会えていない。
就職祝いもしたかったがお互いに忙しく、それどころじゃなかった。
お、智樹と京佑。
少し離れたところで二人が話してるのが見えた。
なんか険悪…?
少し揉めてるような…。
近づくと智樹が先に俺に気づいた。
「……っ」
京佑はなんとも言えない顔で俺を見ている。
「なにしてたん?」
「ん?んーべつに」
智樹は俺の問いに曖昧に答えるが京佑は目を合わせない。
「……伊吹、卒業式、出るよね?」
やっと交わした言葉がこれ。
「ん?出るよ。京佑もでるだろ?」
「…うん」
「よかった。したら卒業式のあと、二人でお祝いしようぜ」
「…お祝い…?」
「まだ就職祝いしてないだろ?あと卒業祝い」
そう言えば京佑はなんだか難しい顔をしている。
「京佑?」
「わかった。…楽しみにしてる」
京佑の笑顔に安堵した。
そして卒業式の日。
京佑は忽然と姿を消した。
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