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カミングアウト
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「京ちゃん!!」
満面の笑顔で俺を呼ぶのは婚約者の鷲尾美花(わしおみか)。
俺が勤める会社の最大の取引相手で絶対に取り逃がしたくない相手だ。
「ごめんね。京ちゃん。いきなり呼び出して」
「別にいいけど。なに?まだなにか決めることあった?美花ちゃんが決めてもいいんだよ?」
けっこう、トゲのある言い方だったかな。
少し気になったけど彼女は気にしてないみたいだった。
「あ、のね…、京ちゃんに話さなきゃいけないことがあるの」
いつになく神妙な面持ちの彼女。
いつもは勝ち気というか、自分からグイグイいくのが彼女なのでこんな彼女は初めてかもしれない。
「どうかした?」
出来るだけ彼女の気が病まないように話しているつもり。
「あなたには隠してたんだけど…私、あの…」
妙にしどろもどろの彼女。
ほんとにいつもの彼女らしくない。
「私!浮気してるの!!」
あの…ここ、死角だとはいえ、喫茶店で人、いるんだけど…。
彼女のいきなりの発言に俺は驚くばかりだ。
というかしてるだろうなという気持ちはあったから今さら、驚きはしない。
驚いたのは彼女の声の大きさだ。
「あ…取り合えず、落ち着いて」
なだめるように彼女にお茶を勧める。
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