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「……」
俺は無言で走った。
きっと半分くらい残っているミルクティーは
手に溢れているだろう。
急いで家に入り、キッチンにへたり込んだ。
(俺の家は、玄関入ってすぐにキッチンがあり、その奥にダイニング、部屋が何個かある。)
「はぁ…はぁ…っ…」
今日はよく走る。
こんなに良く走ったのなんて何年ぶりだろうか。
運動オンチな俺には、相当きつい息切れだ。
「すごい息切れだな」
「…!」
どうやら俺は、鍵を閉めるのを忘れていたらしく、宇都宮がドアを開けて入ってきた。
「入ってくんな…」
「どうして逃げる」
宇都宮は俺に近づく。
「くんな!」
俺は持っていたミルクティーのパックを宇都宮めがけて投げた。
宇都宮は腕てガードしていたが、
残っていたミルクティーが
宇都宮の髪や顔を濡らした。
「…おい」
宇都宮の声が、いつもより少し低くなった気がした。
「…くんな…出て行け」
「落ち着…」
「出て行け!!俺の家に…女の匂い持ってくるな…」
そう言うと、宇都宮は俺の胸ぐらをつかんだ。
「…っんだよ、触んじゃねーよ!」
宇都宮の手をはじこうとするが、
俺の力が弱いのか、相手が強いのか
まったくはじけない。
「…あまり調子に乗るなよ」
宇都宮は拳を振り上げ
俺の頬を殴った。
殴られた反動で、食器棚の角で頭を打ち、
俺は意識が朦朧となる。
「ぅっ…」
俺は宇都宮を睨みつけた。
「睨んでいるつもりか?誘っているようにしか見えないな」
「頭…可笑しいんじゃねぇのか…」
口の中が切れたのか、血の味がした。
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