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ある夏の日 3
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…なんとなく予想はしていたけれど課題を机の上に置いていきやがっている。
「智也…机の上に置いてありましたけど」
『あ…やっぱりか。ありがとう』
「どうするの?」
多分授業休みそうだな…
『今から家に帰って…』
「これから講義あるだろ。ちゃんと把握してるぞ」
これから家に帰って大学に行くとなると、完全に講義には出れないだろう。
でも、今日の全ての講義が終わって、家に帰ってまた大学へというのは面倒だろうしな
『そうだけど、その課題ないと俺はピンチなんだ』
「お前はバカだろ。講義は絶対に受けろ。一回でも休めば理解できなくなるだろう、バカ」
『バカバカ言うなよ。…課題』
智也は面倒臭がりのくせに、講義とかはちゃんと受けてるんだよな。
課題もしっかりやるだろうし
けど、寝てるんだろうなぁ。
「僕が届けるよ。それなら大丈夫だろ」
『いや、それは…』
僕がそう言うと智也は焦っていた。
多分僕がこういう風に言うと智也だけでない家族は絶対に焦る。
「今日は大丈夫だよ。流石に引きこもりすぎるのも人としてどうかと僕も思ってるから。たまには外に出ないとね。」
自分のためといえば、智也は簡単に折れる。
『…分かった。じゃあ頼むよ。』
諦めたように智也は僕に頼んだ。
『今からじゃなくていいからな!俺の受ける講義が終わる頃に来てくれ。』
「分かってるよ。じゃあ、あとで」
僕はそう言って電話を切った。
外に出ることはあまり無い。
確実に引きこもりと言えるのではないだろうか。
やることは、ネットとか読書だし
考えるのはやめよう。
僕は智也の課題を持って一階に戻った。
もう少し時間はあるけど、出かける準備をしたほうがいいだろう。少し時間がかかるから
自分の部屋に行き、カバンに課題を入れた。
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