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ある夏の日 9
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「「智也」」
僕と彼は同じ名前を呼ぶ
どうやら彼は智也の友人だったらしい。
「もしかして飲み物を頼んだ理由って…」
「この子、ちょっと顔色が悪かったからなんだよ。ほらちょうだい!」
智也から水のペットボトルを奪うと僕の頬にそっとつけた。
冷たい…
「佑衣大丈夫か?気持ち悪くないか?」
心配そうに智也は僕に近づく
「うん。この人のおかげで…」
「そっか。ありがとうな」
「気にしなくいいよ。そんなことより」
彼は真剣な表情になる。
どうしたのだろうか?
「智也くん…この子とはどういう関係なの?すごく親しそうだけど…」
真剣な表情になるくらいの話題だろうか?
「え?兄弟だけど?」
「兄弟…そうなんだ。」
それを聞くと安心したように笑った。
この人は顔に出るんだな。
すぐに笑ったり、悲しそうにしたり…
「そうだ。俺まだ自己紹介してなかったよね。」
「ああ、はい」
彼は嬉しそうにして一旦ペットボトルを置いて僕の両手を握った。
「俺は本郷 青葉、智也とは大学からの付き合いね。よろしく!」
青葉さん…
この人に合っている名前だなぁ
「えっと、智也の弟の坂咲 佑衣です。」
「佑衣くんかぁ。いい名前だ」
この人なんで手を握っているんだ?
「そうだ、佑衣課題は?」
思い出したように智也は聞いてきた
そうだった。このためにここに来たんだ
「カバンに入ってる。勝手に開けていいよ」
「本当にありがとう。」
「お前、その課題って今日までにやつじゃん。早く出さないと面倒だ」
「分かってるよ」
どうやらその課題は、青葉さんもやっていたらしい…
青葉さんって優秀そうだなぁ
「でも佑衣…」
「大丈夫だよ。気にすることない」
僕はそう言うけれど、智也は納得しない
そりゃそうか…
顔色が悪いって言われてるし
「智也行ってこい。俺が佑衣くんと一緒にいるから。」
「それだったら…頼む。」
「ああ。頼まれた」
「じゃあ行ってくる。」
そう言って智也は走って大学へ戻っていった。
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