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約束
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『あんな子を引き取るのは無理よ』
『身体が弱いって…ずっと世話するのは無理だ』
『血が繋がってない子なのに、どうして私たちが引き取らなきゃいけないのよ。』
『それにあの子泣かないのよ…親が亡くなったっていうのに』
一人になってしまった僕は親戚から嫌われた。
当たり前か…こんな身体の子供なんて誰が引き取るんだか…
必要とされないのではないかと考えてしまっていた。
親戚が僕を施設に入れようという話が出たある日
ある男がやってきた
「佑衣くん元気だった?」
その男の名前は、坂咲悟史
彼のことは知っていた。
母親の主治医だったから
彼は言った。
『言っていなかったけど、君のお母さんとは幼馴染なんだ。
そして今日君のところにきたのはね、お母さんとの約束を守るためだよ。』
母との約束
『君を一人にさせないでくれ。それがお母さんとの約束なんだ』
彼は僕に優しく笑って、頭を撫でてくれた。
それだけでなく抱きしめてくれた
ただそれだけですごく嬉しかった。
『辛かったよね…遅くなってごめんね』
お母さんとおばあちゃんが亡くなってから
誰からもそんなことも、言葉もなかった
『もう大丈夫だよ…』
その言葉を聞いて僕は泣いた。
気付いてしまった…
自分は寂しかったということ
怖かったということを…
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